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なまらあちこち北海道|球児たちのもう一つの甲子園 北海道で熱戦 日米のスカウトも視察

スポーツ

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甲子園で熱闘が繰り広げられているこの時期、甲子園を逃がした全国の高校3年生を対象にしたサマーキャンプが北海道で行われていました。

球児たちのもう一つの甲子園 北海道で熱戦 日米のスカウトも視察

 今夏の全国高校野球選手権大会(甲子園)の出場を逃した全国の高校3年生の球児を対象とした「リーガ・サマーキャンプ」が8月9日から9日間、栗山町民球場(空知管内栗山町)とエスコンフィールド北海道(北広島市)で初めて行われた。
 52人が4チームに分かれ、寝食を共にしながら野球に打ち込んだ。甲子園で熱戦が繰り広げられている時に、北の大地で行われたもう一つの高校野球大会。球児たちの熱い夏に迫った。
試合後に健闘をたたえ合い、ハイタッチする選手たち。参加者は大会用のそろいのユニホームを着ている=エスコンフィールド北海道

試合後に健闘をたたえ合い、ハイタッチする選手たち。
参加者は大会用のそろいのユニホームを着ている

 プロ野球北海道日本ハムの本拠地でもあるエスコンフィールド北海道。あこがれの球場で、複数人の日本プロ野球機構(NPB)のスカウトらも見守る中で、選手たちは部活動での公式戦と変わらない全力プレーを見せた。

■甲子園に出場できなくても

 大会は、野球指導者の阪長友仁さん(43)が代表を務める「ジャパン・ベースボール・イノベーション」(JBI、大阪)が主催した。
 阪長さんは独自の球数制限やリーグ戦を導入する新たな高校野球のリーグ「リーガ・アグレシーバ」を主宰。同リーグは、昨夏の甲子園で優勝した慶応高(神奈川)、今夏の南北海道代表の札幌日大高も参加し、今年は全国約180校にまで拡大している。
エスコンフィールド北海道でプレーする選手たち

エスコンフィールド北海道でプレーする選手たち

 選手として甲子園に出場した経験がある阪長さんは「甲子園大会の価値は当然、出場した一人の球児としても認識している」としつつ「甲子園に出場しない選手もプレーできる環境をつくりたかった」とサマーキャンプの狙いを説明する。
 大会は4チームが総当たりで6試合ずつ対戦するリーグ戦を行った後、順位決定のトーナメント戦を行った。
 試合は木製バットの使用や7イニング制の実施など通常の高校野球とは一線を画した内容で行った。元プロ野球選手の講演もあった。参加には、宿泊代や食事代など約27万円を自己負担することが必要だ。
 それでも、関西や関東の強豪校でプレーしていた選手が多く参加。主催者によると、日本国内だけでなく米メジャーリーグの球団スカウトら約20人が選手たちのプレーを見に訪れた。
 北星学園大付属高の主戦投手だった石田充冴さん(18)は、191センチの高身長から投げ下ろす140キロ台後半の直球を武器にして将来のプロ入りを狙う。夏の大会は札幌支部予選で敗退しただけに「もっとアピールする場が欲しかった」と参加した。
マウンドで直球を投じる石田さん=エスコンフィールド北海道

マウンドで直球を投じる石田さん

 4試合で13回2/3を投げ15失点。打者を圧倒するような投球はできなかったが、最終日17日のエスコンでの登板後は「きょうは自信のある直球勝負ができた。一方で大会を通しては課題も見つかり、進路を決める上で、良い経験になった」と充実した表情を見せた。
 札幌第一高の佐藤壮真さん(17)は、選手として一区切りをつけようと参加した。
 小学校時代に、全道の優れた選手が選考される北海道日本ハムファイターズジュニアに所属。中学時代は硬式で道内強豪の札幌新琴似シニアで主将を務めた。「順風満帆という感じで、高校野球でもうまくいくだろうという考えだった」。
プレーを楽しみ、充実した表情を見せる佐藤さん(左から3人目)=エスコンフィールド北海道

プレーを楽しみ、充実した表情を見せる佐藤さん(左から3人目)

 甲子園出場を目指して同校に進学した。ただ、高校3年間で思うようなプレーができなかった。度重なるケガに見舞われ、回復後も練習不足からか調子を上げられず、3年夏の大会はベンチ外で終えた。
 佐藤さんは「高校野球で人間的に成長できたが、選手としては心残りがあった」。今大会では19打数で4安打。エスコンでも外野守備についた。「全国の仲間といろいろなプレーについて意見交換して、深く野球を考えられた」と振り返る。
 高校卒業後は救急救命士を志し、道内の専門学校に進むつもりで選手としての野球には一区切りをつける。高校最後の実戦は「貴重な時間だった」とうなずきながら語った。
 大会は52人の参加者を集めた一方、認知度や収支確保、運営員などの面で来年以降の開催に向けて課題は多い。阪長さんは「いろいろな人に協力してもらって、これで終わりとはならない。継続、発展を一つの目指す形としたい」と話した。
(参考:北海道新聞メールサービス)

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