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二条市場と言えば、かつては札幌に来た観光客が、北海道の海産物を求める場所でした。ここ3年はコロナの影響でその数が極めて少なくなっていましたが、また徐々に回復しつつあります。
そんな二条市場のなかにあるラーメン専門店「だるま軒」はまだまだ元気です。
二条市場の「だるま軒」 元祖札幌ラーメンの味、守って70年
チャーシュー、メンマ、ネギ、のり、そして正月料理に使うだて巻きという具も、長年変わりません。なぜだて巻きなのか。哲也さんは「縁起がいいからかもしれません」と語りますが、代々続くだて巻きの、はっきりとした理由は分からないそうです。
店内16席のだるま軒は「麺・スープがなくなり次第営業終了」が基本です。それは「2人でお店を回すには、自家製麺と毎日仕込むスープが1日50食が限度」(ゆかりさん)というのが理由で、早い日だと、午後1時前にスープがなくなってしまうこともあるそうです。
だるま軒の始まりは、1947年に初代の西山仙治さん(故人)が狸小路商店街周辺で始めた屋台でした。札幌でラーメンが人気になったのは、終戦直後の1946年あたりから。その当時は屋台が主流で、だるま軒は「龍鳳」「味の三平」と並んで人気を誇りました。だるま軒は1949年に現在の場所に店を構えましたが、店前にかかったのれんにも「札幌ラーメンの元祖」と堂々と書かれています。
4代目店主の哲也さんが、だるま軒で働き始めたのは約40年前でした。哲也さんが働いていたコンビニエンスストアに、客として通ってきていた2代目の大森久蔵さん(故人)が、「うちで働いてみないか」と声をかけたのがきっかけでした。初めは麺づくりを手伝っていましたが、3カ月ほどで接客も任されるようになりました。当初は午前11時から午後6時まで開店。従業員5人ほどで、多い日には今の約10倍、1日550食を提供していたそうです。「夏は店に入ってきたハエもすぐに外へ逃げ帰るほど暑いし、毎年『今年こそ店を辞めてやろう』と思っていました。でも、顔見知りの客がおいしそうに食べてくれ、楽しいからここまで続けてこられたんです」と懐かしそうに振り返ります。
「本日もありがとうございました。終了しました」「おはようございます。今朝の気温は身にしみる~」。営業開始や終了の時間を分かりやすく発信したいと、ゆかりさんはほぼ毎日、ツイッターを更新しています。
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