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千歳と小樽を結ぶ高規格道路「道央圏連絡道路」(国道337号、約80キロ)のうち、道央道江別東インターチェンジ(IC)-南幌ランプを結ぶ中樹林道路(7.3キロ)が3月15日午後4時に開通します。
道央圏連絡道路は新千歳空港と小樽を結び、8市町を通る半円形の環状道路。1980年度に事業化され、これまで江別東ICから北側と、長沼町の南長沼ランプから南側の区間が開通している。
中樹林道路は2013年度に着工し、事業費は約344億円。全区間片側1車線で江別の江別太など一般道との交差点が9カ所あり、出入り口のランプは南幌に1カ所設けた。札幌開建によると、南幌から物流拠点の石狩湾新港までの所要時間は5~7分短縮されるという。
南幌町は開通を見据え、昨年5月に南幌ランプそばで準工業用地「南幌流通団地」(約24ヘクタール)の造成に着手。26年10月の供用開始を目指している。町まちづくり課は「立地の良さをアピールし、物流関連や食品加工などの企業誘致を加速させたい」と話す。
町観光協会と町は今年1月にリニューアルした町営のなんぽろ温泉や、子ども室内遊戯施設「はれっぱ」の集客増を期待。施設をPRする看板の増設などを検討しており、石狩方面からの新たな利用客を呼び込みたい考えだ。
中樹林道路に並行する国道337号は、道外への出荷が多い花(か)卉(き)の輸送路として使われており、空知管内の農業関係者からは「ルートの選択肢が増え、輸送の確実性が向上する」との声も上がる。
今回の開通によって、道央圏連絡道路の全線開通には長沼南幌道路(14.6キロ)を残すのみとなる。同区間は17年度に着工し、昨年3月末時点の事業進(しん)捗(ちょく)率は65%に達するが、道路予定地の地盤が軟弱なことや、一部の用地取得が済んでいないため、全線開通の見通しは立っていない。
南幌町農協の担当者は「野菜を本州方面に出荷する際は苫小牧港を利用する。鮮度が重視されるので早く全線が開通してほしい」と訴える。全線開通すれば岩見沢など近隣自治体から千歳へのアクセスも向上するため、岩見沢市企業立地推進室の担当者は「半導体関連企業などの誘致で有利になる」と期待を込める。
(参考:北海道新聞 有料記事)
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