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なまらあちこち北海道|大泉潤市長、函館の空気を変えて。

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圧倒的な強さを見せた大泉氏。その要因は何だったのでしょう。選挙を分析します。

誕生大泉市政 函館市長選 圧勝の先に 「風」狙い通り 異例の大差

大泉潤氏の最後の訴えに集まった支援者たち=22日午後7時50分(藤井泰生撮影)
大泉潤氏最後の訴えに集まった支援者たち
 「おめでとうございます! 工藤さんにもお世話になっていたので静観していましたが、函館を思う気持ちは一緒だと思うので、GLAYも函館の皆さんともっと盛り上げていけたら」

 函館出身のロックバンドGLAYのTERUさんが24日にこう投稿するなど、交流サイト(SNS)には函館市長選で当選した大泉潤氏への祝福が相次ぎました。

驚くほど良い反応

 現職の工藤寿樹氏に4倍もの異例の大差をつけました。「現職が3万票取れないなんて初めてだ」(経済団体幹部)と驚きが広がりましたが、大泉氏にとっては狙い通りの展開でした。
 昨年7月の出馬表明後、動きが見えないとの指摘もありましたが、会う人、会う人の反応は驚くほど良かったと言います。何より、弟の洋さんの人気や好感度を最も理解しているのが「大泉洋の兄」を長年経験してきた大泉氏本人でした。
 大泉氏周辺は昨年12月、「相手にいくら取られても8万票対4万票で勝てる」と自信を見せていました。
 告示後、選挙カーで回ると沿道や窓から多くの人が手を振っていました。街頭に団体の動員ではない市民が集まり、スタッフが「写真撮影はこちらです」と誘導した景色もありました。女性経営者らが応援組織を立ち上げ、事務所は当選を祈る折り鶴であふれました。
 道南の政党関係者によると、昨年後半の情勢調査で大泉氏は既に大きく先行していました。「優勢では」との見立てが徐々に伝わると、立憲民主党が支持しているにもかかわらず、与党関係者の態度も変化し始めました。有力者から「応援している」と連絡があり、道外の首長も応援に訪れました。鈴木直道知事は3月に函館で開いた集会で、突如現れた大泉氏に「一緒に北海道を盛り上げましょう」と声をかけています。

■オール函館が変化、工藤氏側の事情

 12年にわたり道南をけん引してきた工藤氏は、自民、公明両党や函館商工会議所の政治団体、函館建設業協会などの推薦を受けながら、厳しい戦いとなったのです。
 昨年9月の出馬表明後、市長の公務として各団体の要望を聞く懇談会を開きましたが、会場を後にする出席者から「選挙前になって何を今さら」との声が漏れました。インタビューなどで大泉氏を批判する工藤氏の姿を見て、ある国会議員は「元部下を批判するのは逆効果」と苦言を呈したようです。
 今年3月、自民関係者は「今からでも出馬をやめた方がいい」と話しました。1期目に大間原発差し止め訴訟を起こし、リベラル系にも支持を広げ、「オール函館」とまで呼ばれた体制は姿を変えていました。
 活路を見いだしたのが、大泉氏が掲げた公約への反論でした。新幹線の函館駅乗り入れについて、JR関係者にも内容を確認し、実現性がないと指摘しました。しかし反転攻勢を狙った4月上旬の公開討論会は、自らの新型コロナウイルス感染で中止となってしまいました。
 選挙終盤、大泉氏について「タレントの兄じゃなかったら泡沫(ほうまつ)候補だ」と語った工藤氏。最終日、本町交差点での街頭演説に足を止める市民は少なかったという現実があります。
 工藤氏は23日夜、「少しでも函館のまちを前進させてきたかなと思う」と記者団に述べました。「こんな『風』でトップが決まるのは大泉氏にとっても良くない」(道南の政党幹部)との声も上がっています。大間原発訴訟や行財政改革、観光客誘致などに取り組み、豪腕とも呼ばれた政治家は約50年勤めた市役所を間もなく去ることになりました。
(参考:北海道新聞トップニュース)
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