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なまらあちこち北海道|スピードスケートのエースへ。堀川桃香ブレーク

スポーツ

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北京五輪にも出場したスピードスケートの堀川桃香選手は、大樹町の出身です。このところ力を付けてきています。高木美帆選手を追い越せる位置にきています。

ホープからエースへ 19歳堀川桃香ブレーク スピードスケート

 スピードスケート女子長距離の北京冬季五輪代表・堀川桃香(富士急―白樺高)にとって、社会人1年目の昨季は飛躍のシーズンとなりました。昨年末から滑るたびに自己ベストを連発。ワールドカップ(W杯)でも初勝利を挙げるなどブレークしたのです。
 いったい何が起こっていたのでしょうか。ナショナルチーム(NT)のコーチは、19歳のホープの急成長を予感していたと言います。
ポーランドで行われたW杯の女子マススタートで初優勝した堀川桃香=2月、トマショフマゾウィエツキ(共同)

ポーランドで行われたW杯の女子マススタートで初優勝した堀川桃香

日本新記録視野に

 「3年後のオリンピックではメダルを取れるように頑張りたいです。これからもさらに飛躍できるように頑張ります」。3月10日、札幌市内で行われた第2回北海道新聞みらいスポーツ賞の贈呈式で、特別賞を受賞した堀川の言葉は力強く響き渡りました。
 堀川は白樺高3年の18歳で昨年の北京五輪代表をつかみ、5000メートルで10位に入るなど将来性豊かな選手ではありましたが、昨年末の全日本選手権(青森・八戸)から一気に成長曲線を描き始めました。
 同選手権は3000メートルと5000メートルの2冠を達成。今年に入り、2月には世界ジュニア選手権(ドイツ)の3000メートルで優勝、同月のW杯(ポーランド)ではマススタートで初優勝を果たしました。
充実のシーズンを振り返った堀川桃香=3月、札幌市内(中村祐子撮影)

充実のシーズンを振り返った堀川桃香

 これで終わらりません。3月の世界選手権(オランダ)は3000メートル8位、5000メートル6位でともに入賞。自己記録も3000メートルは2秒以上、5000メートルは3秒近く更新しました。

 日本代表の糸川敏彦監督(白樺高出)は世界選手権を終え、「長距離は堀川を中心にやっていく」と期待をかけています。

 特にこの世界選手権が開催されたオランダ・ヘーレンフェインでマークした5000メートルの6分58秒78は、タイムが出にくい低地のリンクで出しており価値が高いと言えます。
 日本選手の「7分切り」は石野枝里子(白樺高出)、石沢志穂(駒大苫小牧高出)、穂積雅子(同)に続いて4人目、低地リンクで7分を切ったのは堀川のみです。日本記録としては男女で最も古い2011年の6分55秒07(石野)の更新も視界に入り始め、「5000メートルの日本記録まであと2秒超。それは更新したい。もっと高いところに行けるようにまた頑張りたい」と意欲的です。

必然の成長

 「堀川はどこかでブレークすると思っていた。だから想定の範囲内。これからもっと伸びると思う」。そう見るのは日本代表の小原英志ヘッドコーチ(HC)=帯広市在住=です。その根拠の一つに、豊富な練習量があります。

 高校を卒業した堀川は昨季から、日本スケート連盟が所属の枠を越えて有力選手の強化を図るナショナルチーム(NT)のメンバーとなりました。これにより、学業との両立が必要だった学生時代には得られなかった圧倒的な練習量を確保したのです。
「夏には自転車でロードを1日120キロ走った。そうやって長くトレーニングして体力をつけて。あとはウエートトレーニングも効果があった」
と本人も自覚しています。
オランダで行われた世界選手権の女子3000メートルのレース後、笑顔で手を振る堀川桃香=3月、ヘーレンフェイン(共同)

オランダで行われた世界選手権の女子3000メートルのレース後、笑顔で手を振る堀川桃香

 さらにもう一つ、質の高い練習パートナーの存在があります。NT入りした堀川は平昌、北京の両五輪代表の佐藤綾乃(ANA、釧北陽高出)と練習するようになりました。佐藤は近年、団体追い抜きを高木美帆(TOKIOインカラミ、帯南商高出)らと組んで戦い、平昌で金メダル、北京で銀メダルを獲得。北京の1500メートルでは4位に入ったトップスケーターです。
 身長は堀川が164センチ、佐藤が157センチと異なり、体格差もありますが、小原HCは
「(佐藤)綾乃は小さい身体ながらすごい大きな滑りをする。(堀川)桃香は元々、脚の回転数(の多さ)で勝負する選手だったが、綾乃の後ろで滑るようになったこと、(豊富な練習量で)筋力がついたこともあって、1歩1歩が滑らかに、大きくなった」。
実際、リンクの直線100メートルの歩数は昨季までの10歩から8歩に。脚のストライドが大きくなったことによって、1歩の推進力が増したのです。
北京五輪の女子5000メートルで力強い滑りを見せた堀川桃香=2022年2月、北京(野沢俊介撮影)

北京五輪の女子5000メートルで力強い滑りを見せた堀川桃香

 佐藤の後ろを滑ることで、身体の軸をずらさない正しい滑りも徐々に体得。身体の筋肉の中でも大きい臀部(でんぶ)の力を使えるようになり、後半のラップが持続するようになりました。
 世界選手権の5000メートルのラップは、入りの200―600メートルが32秒台、最後の4600―5000メートルが33秒台と最初から最後までほぼ変わりませんでした。
 小原HCは
「大臀筋や中臀筋を使えるようになり、出力が上がったと言える。フィジカルが鍛えられると伸びのあるスケーティングになり、自然とスピードが出るようになる。歩幅は8歩にしようと思ったのではなく、スピードがついたことで結果的に8歩になったのだと思う」と分析しています。
世界選手権の女子団体追い抜きで2位になり、表彰台で笑顔の堀川桃香(右)と菊池純礼(中央)、佐藤綾乃=3月、ヘーレンフェイン(共同)

世界選手権の女子団体追い抜きで2位になり、表彰台で
笑顔の堀川桃香(右)と菊池純礼(中央)、佐藤綾乃

 世界選手権では、日本のお家芸になりつつある団体追い抜き(パシュート)のメンバーとしても2位に入りました。

7月に20歳になる堀川は
「パシュートは、また強い時代をつくっていきたい。5000メートルの日本記録更新もそうだし、もっと高いところへ行けるように頑張りたい」

3年後のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向け、今季はホープからエースへと躍進するシーズンになるのはまちがいありません。

(参考:北海道新聞デジタル発)

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