この記事を読むのに必要な時間は約 2 分3 秒です。
2月14日のバレンタインデーに向けた商戦が、札幌市内の百貨店や菓子店で本格化していますが、カカオ豆など原材料費が高騰する中、客離れを防ごうとチョコレートと別の素材を組み合わせて価格を抑えた商品の多彩さが、今年の特徴のようです。
カカオ高騰、変わるバレンタイン商戦 チョコ使用抑え多彩なスイーツ
「義理チョコ」文化の衰退を踏まえ、自分や家族への贈り物にもなるスイーツそのものをPRし、集客を図る動きも続く。
札幌丸井三越は30日から、102ブランドが集まる「サロン・デュ・ショコラ」を丸井今井札幌本店で開く。例年通り、国内外の高級チョコも展開するが、価格は5年間で約3割も上昇。消費者のつなぎ留めが課題だ。
このため、今年は単品のチョコ以外にも注力する。チョコ味のアイスクリームやクロワッサンなどの実演販売を、前年より3割増やした。札幌丸井三越の担当者は「スイーツ好きな人に間口を広げ、戦略的に集客する」と話す。計18日間で、前年より約1万人多い16万人を呼び込む計画だ。
18日に始まった大丸札幌店の「ショコラプロムナード」は、約110ブランドの商品が並ぶ。箱詰商品の1粒当たりの単価は20~1320円で、幅広い顧客層に対応。バウムクーヘンや中国の伝統菓子「月餅」をアレンジした菓子など、チョコそのものが主役でない商品も充実させた。
大丸には、道内の菓子店15店前後が日替わりで出店するブースもある。担当者は「技術力が高い国内ブランドは増えている。千円を切る商品もあり選びやすい」とする。
2月1日にバレンタインの売り場を設けるさっぽろ東急百貨店も、チョコ味のフィナンシェやクッキーなど、チョコの使用量が控えめな商品を増やし、価格を抑える。
職場や学校で義理チョコを配る人が減る中、需要開拓は欠かせない。東急は「推し活」を意識し、ポケモンやピクミンなどキャラクターのコラボ商品にも力を入れる。
洋菓子店も工夫する。札幌市中央区の洋菓子店「ショコラティエマサール」のバレンタイン向け新作は、芦別産のサクランボや余市産のリンゴをゼリー状にして使う。チョコの使用量を抑えつつ、ご当地感を演出。古谷健社長は「北海道という風土を大切にする思いを込めた」と話す。
カカオ豆は価格上昇が著しい。ガーナなど主産地が不作続きのためで、昨年12月末の米ニューヨークの取引価格も、同10月初旬の6割高だった。小売業界に詳しいSOMPOインスティチュート・プラスの小池理人上級研究員は「チョコ関連産業は収益が圧迫されている。原材料費を抑える努力が試されている」と指摘する。
(参考:北海道新聞 有料記事)
コメント 感想やご意見をお願いします