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道高野連は2026年から、夏の全国選手権大会(甲子園)の支部予選を廃止し、南北の北海道大会に集約する。札幌のチーム同士の試合が函館で行われたり、旭川支部のチームが帯広で試合するなど、現状とは大きく異なる大会運営が予想される。
変わる甲子園への道 夏の北海道大会、26年から新方式 遠征費増の懸念
この方式が正式に採用されると、公立校を中心に遠征費用の増加を懸念する声が出る一方、「支部以外の強豪と試合する機会が増える」と歓迎する声もある。夏の聖地をつかむには、新方式にいち早く対応することが求められそうだ。
参加校数が年々減っていることが背景にある。今夏の大会に出場したのは南北10支部で168チーム、194校で、14年の225チーム、237校からチーム数は約25%減少した。
現状では、全道大会進出に3勝が必要な支部がある一方で、出場校の減少により、早ければ来年夏にも支部予選で1勝するだけで全道大会に進める支部が出る可能性がある。
3回戦から準々決勝までは、南大会が札幌のモエレ沼公園と函館オーシャンに各16チーム、北大会は旭川スタルヒンと帯広の森に各16チームが集い、4強を決める。
札幌の学校が函館で試合?
組み合わせ抽選のやり方などは未定だが、新方式では札幌の学校が函館で、旭川の学校が帯広で試合を行う可能性もある。
現状では、地元で全試合ができる札幌支部や旭川支部の高校にとって、影響は大きい。旭川スタルヒン球場に隣接する旭北の笹森敦監督は「仕方がないことではあるが、隣にある球場で試合ができない可能性があるのは複雑」と吐露する。
今夏の大会では全道大会の1回戦と準々決勝までは4日間だったのに対し、新方式では3回戦以降から準々決勝までは6日間の予定だ。雨天中止などがあると、さらに滞在費もかさむことになり、笹森監督は「抽選後、旭川、十勝支部同士の試合は地元で行うなど、臨機応変な対応をしてほしい」と期待する。「遠征が必要な学校の試合は、朝一番ではなく、第2、3試合にするなど、なるべく経費を削れるような形を探ってほしい」と遠方の学校への配慮も必要だとする。
選手「モチベーションにつながる」
強豪校も課題は多い。選手時代、駒大苫小牧で04、05年に甲子園を連覇したメンバーで、札大谷の五十嵐大監督は「函館で試合をしたことがないので、土の硬さや(外野手の守備位置から)フェンスまでの距離がわからない。ホテルの確保なども含め、さまざまな対応力が問われる」と指摘する。
一方、部員数11人ながら今秋の全道大会に18年ぶりに出場し、北海と対戦した函中部の斉田龍平主将は選手目線で「高いレベルの高校と試合ができる可能性が高まることはモチベーションにつながる」と歓迎。同校の弦木裕監督も「(北海戦を経験して)生徒たちの視線が上がった。変更をいいものにしていきたい」と前向きに受け止める。
道高野連は25年度中に検討を重ね、来年11月の理事会で大会方式を正式に発表する。横山専務理事は「われわれが見えてない細部(の課題)も多くあると思う。各加盟校にいろいろ意見を聞き、調整していきたい」と話している。
(参考:北海道新聞 昼のニュース)
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