この記事を読むのに必要な時間は約 3 分45 秒です。
この4月に、札幌出身の演歌歌手が誕生しました。その名は小山雄大さん。民謡で鍛えた高く澄んだ声は氷川きよしに負けない声量です。活躍を期待しましょう。
新人演歌歌手は走る 札幌出身の小山雄大さん NHKのど自慢グランドチャンピオンがデビュー
札幌市出身の新人演歌歌手が、飛躍を胸に全国を走り回っています。4月に「道南恋しや」でデビューした小山雄大さん(21)です。演歌がなかなか売れない時代だけに、所属するキングレコードとしては11年ぶりの演歌歌手デビューだそう。1人でも多くの人に曲と名前、顔を覚えてもらおうと、道内だけでなく全国各地を飛び回る日々です。札幌でのキャンペーンを追い、デビュー曲への思いや、これまでの道のりなどについて聞きました。(文化部 高橋毅)
6月14日午前11時、札幌市中央区のCDショップ「音楽処」で小山雄大さんの音楽イベントが始まった。集まったのはファン30人ほど。小山さんは「道南恋しや」のほか、カップリングの「椿咲く島」、事務所の先輩三山ひろしさんの「北海港節」など5曲を熱唱した。曲の合間には幼少期の民謡や歌との出合い、三山さんとの思い出話などを披露し、会場を沸かせた。1曲歌うたびに、「雄大~」と声が飛び、盛んな拍手が起きた。
その後は、CDを買った人を対象にしたサイン会とツーショット撮影会が行われた。ほとんどの来場者がサインをもらい、写真に納まった。小山さんは「今日はわざわざお越しいただいてありがとうございます」と何度も頭を下げファンに感謝した。札幌市東区から来た女性(85)は、以前から注目していたそうで、「生で見るとさらに魅力的。歌も声に張りがあり、音域が広くて素晴らしかった。機会があったらまたイベントに訪れたい」と笑顔を見せた。
今回の来道は2泊3日。音楽処など札幌市内4カ所、千歳市内1カ所のCD店などを回り、新曲をPR。ファンとの交流も深めた。
演歌歌手としては、キングレコードでは11年ぶりの新人という小山さん。ある音楽関係者によると、「演歌を扱う他のレコード会社でも、近年の演歌歌手デビューは3年に1人くらいでは」と言う。「配信を頼りにできるポップスとは違う」ことが大きいそうだ。
演歌のヒットには地道なキャンペーンが欠かせない。しかし、音楽業界全体がCDから配信にシフトしており、キングレコードの担当者は「CDショップそのものが全国的に減っている。かつては店頭販売させてもらえる店が結構あったのだが」とキャンペーン先の確保に頭を悩ませる。「以前はカラオケ教室にも(キャンペーンとして歌手が)営業に行っていたが、コロナ禍でそれもなくなった。これからまた開拓しなくてはいけないが、なかなか厳しい」 と話している。
――4月10日にデビューして以来、レコード店などのキャンペーンを始めたと聞きました。全国各地を回っているのですか。
「これまで北海道を始め、東京、大阪、福岡、熊本、名古屋、三重県で十数軒のレコード店を回ってきました。大阪、福岡では回るところはそれぞれ1店舗だったりと、まだまだこれからなんですが、CDを買ってもらった方にサインをして一緒に写真を撮る。僕はこういうのがうれしいんですよ。サインをしている時に『いい曲だね』『今日は歌がとても良かった』といろいろ話しかけてくれるんですよ。声をかけてもらえることで僕自身、お客さまから勇気や元気、笑顔をいただいているなと感じます」
――「音楽処」で行われたキャンペーンではお客さまの目を見て交流している姿が印象的でした。
このあと、デビューまでの道のりを語っています。動画では新曲の歌うポイントも。
「まず会場に来ていただけること自体がうれしい。1枚CDを売るのは本当に大変ですから、来ていただいたお客さまには感謝の気持ちしかありません。ステージではちゃんと歌を届けたいと思って臨んでいます」
――キャンペーンで全国を回っていると、熱心なファンもいるのでは。
「先日大阪に行った時に出会ったお客さまは翌週に行われた名古屋の5店舗のキャンペーンすべてに来てくれたんです。わざわざ大阪の方が名古屋に来るだけですごいのに、5店舗すべてでCDを購入していただきました。本当にうれしくて、感謝の気持ちでいっぱいです」
(参考:北海道新聞 デジタル発)
コメント 感想やご意見をお願いします