この記事を読むのに必要な時間は約 2 分20 秒です。
漁港がワイングラスの形をしている所があるのを知っていますか? 周辺の海流に影響を受けない形なのだそうです。
北海道の珍スポット「ワイングラス型」漁港を知ってる? JR函館本線・国縫駅からも歩いて行ける
札幌延伸に向けて工事が進む北海道新幹線。札幌への延伸開業は当初は2030年度末を予定していたが、羊蹄トンネルの工事での巨大な岩塊の出現などから、工事の進捗は大幅に遅れ開業時期は未定となった。
関係者の間からは5年程度は遅れるのではないかという声も聞かれる。北海道新幹線の並行在来線となる函館本線の函館―長万部―小樽間はJR北海道から経営分離されることが確定されており、北海道庁が主導する協議会では全線のバス転換の方針を示し、各所から批判を招いている。
新幹線の経済効果を地域に波及させることを考えるのであれば、2次交通としての並行在来線の活用は必要不可欠なはずだが、北海道庁はいまだにそうした考えを持てていないことが、各所から批判を招く要因ともなっている。
今回は、そんな北海道新幹線の並行在来線のうち、本州方面との貨物列車も多数走る函館―長万部間のうち、長万部町内にある国縫駅から歩いて行ける範囲に知られざる珍スポットがあることから、国縫駅の利用促進の願いを込めて紹介してみたい。
全国初の「ワイングラス型」国縫漁港
JR函館本線の国縫駅から歩いて10分ほどの場所に、その珍スポットがある。それは、全国初のワイングラス型の島式漁港として建設された国縫漁港だ。
長万部町の国縫地区は、遠浅の砂浜海岸が広がっており、この漁港が建設される前はこの地区の漁業者は、潮の干満の差が激しい砂浜海岸にある漁港で漁船の揚げ降ろしを行っており、大変な苦労を強いられていたという。
砂浜海岸にある漁港は、港を維持するためにしゅんせつに多額の費用が必要であるほか、海岸に人工物を作ると波の自然な移動を妨げるため、周辺の海浜に悪影響を及ぼす懸念があったことから、こうした問題を解決するために人工島式漁港が建設されることになった。漁港の形状がワイングラス型となったのは、周辺の海流に与える影響を最小限に抑えるためだという。
そんな国縫漁港は、1982年に着工され10年の歳月と総工費約50億円をかけ1994年に完成した。現在は、周辺は国縫漁港海浜公園として整備されており、漁港内はカレイなどの釣りスポットとして釣り客にも親しまれている。
なお、漁港内での釣りについては、漁業事業者の作業に支障が出ないように必要以上に漁船に近づかないことや、駐車場については漁港内のものは一般利用不可となっていることから、連絡橋手前にある駐車場を利用することが推奨されている。
人工島式の漁港については、国縫漁港のほかに秋田県由利本荘市の道川漁港や福岡県行橋市の沓尾漁港があるが、日本でも珍しい漁港の散策を一つの楽しみとして、列車本数は限られているものの、函館本線国縫駅から国縫漁港への散策者が増えることで、少しでも国縫駅の利用促進に結び付くことを願いたい。
コメント 感想やご意見をお願いします