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旭川出身の旭大星が引退をしたばかりですが、代わりの新星が現れました。大相撲大島部屋へ昨年1月に入門し、3月場所で本格デビューした北見市出身の旭大龍(18)=本名・西田拓未さん=。昨年最後の11月場所は5勝2敗と勝ち越し、番付を西三段目52枚目に上げました。
旭大龍、幕下昇格へ飛躍の年 大相撲大島部屋に24年入門 35取組で21勝、猛稽古の成果 体重も10キロ増
旭大龍は176センチ、143キロの体格を生かした得意の押し相撲に磨きをかけ、「今年中に幕下に昇格したい」と飛躍を誓っている。
4人兄弟の次男。北見・小泉小4年生の頃、兄が通っていた整骨院で誘われ、柔道を始めた。その後、北見練心会に所属し、当時を知る北見市柔道協会の西尾静男会長(71)は「柔軟性がある恵まれた体と素直な性格で、どんどん技を吸収していった」と振り返る。小泉中卒業後、実力者が集う旭川龍谷高に進学。全道大会の100キロ超級3位など活躍した。
将来性が見込まれ、柔道の強豪大学から声がかかったが、相撲部屋からの誘いに気持ちが傾いた。「早く独立して親孝行がしたい」。けがを心配した周囲から反対の声もあったが、力士への憧れや新たに挑戦したいという気持ちが勝り、角界入りを決めた。
ただ、当初は戸惑いが大きかった。稽古で額同士がぶつかりたんこぶができ、恐怖を感じた。間合いを取る柔道と違い、立ち会いから一瞬で勝負が決まる世界。「慣れるしかない」。兄弟子らの胸を借り、投げられて砂まみれになっても立ち上がる。腹をくくり、猛稽古に心血注いだ。
大島部屋で行われた実戦形式の「申し合い稽古」で、
懸命につっぱりをみせる旭大龍(手前右)
懸命につっぱりをみせる旭大龍(手前右)
こうして迎えた3月場所初日。白星を飾るも、「緊張で頭が真っ白だった」。昨年は7月場所以外は勝ち越し、35取組で21勝を挙げた。最も印象に残っているのは、11月場所の13日目。昨年最後の取組で、相手は魁佑馬。体重差が30キロあり、押しても動かない。それでも集中力を切らさず、突き落としで勝利した。「無意識のうちに体が動いた。稽古の成果が出た」。大島親方も「順調すぎる」と驚き、まな弟子の成長に目を細める。
連日、朝7時半からの朝稽古に励む。昼にちゃんこを食べた後、午後は筋トレ、暇があれば動画で先輩の取組を見るなど相撲漬けの日々。好きな食べ物は焼き肉で、回転ずしに行けば50皿は食べるという。この1年間で体重は10キロ増加し、一回り大きくなった。
北見から離れて暮らし、「地元の応援が何より力になる」と実感する。12月21、22の両日、帰省して家族に1週間前に結ったばかりのまげを披露した。今年は家族が両国国技館(東京)で観戦する予定。「さらに体重を増やし、北見の人たちに迫力ある相撲を見せたい。突きをさらに磨き、格上の相手に食らいついていく」。くしくもデビューした昨年、美幌町生まれの元横綱北の富士勝昭さんが亡くなった。多くの地元ファンの期待を背負い、オホーツクから角界の頂点を目指す。
(参考:北海道新聞 有料記事)
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