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なまらあちこち北海道|第一滝本館女性社長がアドベンチャートラベルの新会社・登別温泉

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登別発祥のころからの老舗旅館・第一滝本館が登別に新しい空気をいれる新会社を設立しました。

第一滝本館は登別温泉発祥の旅館といわれる

北海道を代表する温泉街、登別温泉(北海道登別市)発祥の旅館とされる第一滝本館(同)は12月、体験型観光「アドベンチャートラベル(AT)」の事業者と利用者を仲介し、送迎代行サービスを始めます。

スノーシューやキャンプといったアクティビティーを充実させ、滞在日数の増加につなげていく狙いです。

AT仲介の新会社「ADEX(アデックス)」を設立しました。
第一滝本館近くにある商店街の旧店舗をインフォメーションセンターに改修して始動することになっています。

倶多楽(くったら)湖畔でのキャンプやカヤックといったメニューをそろえ、羊蹄山や洞爺湖を一望できるオロフレ峠やひょうたん型の大湯沼など周辺の自然環境を生かすものです。

所有する森林でのアクティビティーも検討しています。グループのホテル「滝本イン」内には、アウトドア衣類乾燥用のドライルームを設ける方向です。

登別温泉は国内でも有数の温泉地だ

登別温泉は日本有数の温泉地で、硫黄泉や殺菌力が高いとされる酸性泉、赤褐色で鉄を含む鉄泉といった10種類程度の湯を楽しめます。新千歳空港や札幌からのアクセスが良いことで人気です。

登別市で2002年度に158万人を数えた延べ宿泊者数は11年度に106万人まで落ち込んだものの、新型コロナ前の17年度に131万人まで持ち直しました。

国内の団体旅行客が減った後、インバウンド(訪日外国人)の取り込みに成功し、外国人の延べ宿泊者数はピークの17年度に52万人まで伸び、15年で7倍に拡大したのです。

延べ宿泊者数に占める外国人旅行者の割合は、17年度に39%まで上昇していました。観光庁によると、17年の北海道全体は22%。基準が若干異なるものの、登別市のインバウンド比率は高くなっていました。それだけに新型コロナでインバウンドが来道しなくなった影響は大きいものでした。

ATはアクティビティーと自然、異文化体験の3要素のうち2つ以上を含む旅行スタイルの総称で、アドベンチャーツーリズムとも呼ばれます。欧米やオーストラリアなどの富裕層に人気があり、米アドベンチャートラベル・トレード協会(ATTA)は、世界のAT市場を70兆円規模と試算しているのです。

北海道は欧米富裕層がターゲットのATを観光コンテンツとして注目しています。北海道で23年9月、ATの国際サミット「アドベンチャートラベル・ワールドサミット(ATWS)」を開くことになっています。ATWSの主催団体であるATTAは道内を訪れ、登別温泉内にある名勝・登別地獄谷を視察しました。

市内の観光名所としては温泉や地獄谷に加え、水族館の登別マリンパークニクスや動物園ののぼりべつクマ牧場、テーマパークの登別伊達時代村があります。ただ、外国人富裕層の好むATは限られている。インバウンド依存度の高い登別温泉にとって、ATの充実はアフターコロナの誘客で欠かせないものとなるはずです。

第一滝本館社長「脱・1泊2食付き、滞在型観光促す」

第一滝本館の南智子社長

新型コロナウイルスで生産性の低さや人手不足などの課題が顕在化し、先送りしてきた課題に向き合わざるをえなくなりました。第一滝本館は滞在型観光への対応を急いでいます。一般的だった1泊2食付から脱却し、宿泊客が滞在の仕方を選べる自由度の高いプランを用意しました。

登別温泉は新千歳空港から1時間の距離で、近くに樹氷などの自然を味わえるスポットが多いことでも知られています。日本でも有数の透明度の高さを誇る倶多楽湖や、活火山の樽前山もあります。滞在型観光にシフトすべきだとの声は上がっていました。

ATのメニューだけでなく、カフェなども必要になります。温泉街を宿泊客以外にもオープンな場所にしていくため、宿泊客と飲食で立ち寄る観光客とのエリアを区切るといった改装を進めています。

今は変化が速く、同じことをしているだけではどんどん遅れていくご時世です。地域全体で付加価値を高めていきたいとの思いが強くなる計画です。

(参考:日本経済新聞電子版)

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