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小樽市の「オタモイ地蔵」にまつわる民話がアニメーション化されることになりました。
「オタモイ地蔵」がアニメに 江戸末期建立悲話残る…小樽「海ノ民話のまち」認定
一般社団法人「日本昔ばなし協会」と日本財団が進める「海ノ民話のまちプロジェクト」の一環として年内に制作される。上映会などを通じて、後世に伝えるほか、市は民話のまちをPRしていく。

プロジェクトは2018年度に始まり、24年度までに全国で92本の民話がアニメ化された。このうち道内では、函館市の「ムイとアワビの合戦」など四つのアニメ動画が制作されている。今年度はオタモイ地蔵にまつわる民話が採択され、小樽市も「海ノ民話のまち」として認定された。
オタモイ地蔵は江戸時代末期、周辺漁場の場所請負人を務めていた北前船船主の西川家が、 不憫 な娘のためにオタモイ海岸の断崖の中腹にまつったとされる。
伝わるのは、ある青年の子をみごもった越中魚津(富山県)の若い娘の悲。 蝦夷地 (北海道)に渡った青年の後を追って北前船で密航したが、積丹半島沖で嵐に遭い、船から身を投げた。オタモイ海岸に漂着した遺体からは乳が流れ出ていたという。こうした伝承から、オタモイ地蔵は後に子宝地蔵として全国各地から信仰を集めるようになった。
プロジェクトでは、この物語をロケハンも行いながら5分程度のアニメにする予定だ。日本昔ばなし協会代表理事の沼田心之介さんが監督し、日本財団の助成を得て、アニメ制作会社「トマソン」が制作する。
オタモイ地蔵周辺は土砂崩れの危険があって原則立ち入りできない状態となっており、小樽市の歴史に詳しい小樽商科大客員研究員の高野宏康さん(51)は「移転を含めた今後の対応を考える上で、伝説について広く周知する必要がある。そのためにも今回のアニメ化やプロモーション事業は大きな意義がある」と評価している。
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