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なまらあちこち北海道|プロテインが女性・高齢者にも利用拡大

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プロテインは筋肉増量という思いがあるので、主にアスリートや男性が摂取するものだというイメージがありますよね。でも今は違うんです。女性や高齢者の購入が増えているという実態があったのです。

マッチョ向けだけじゃない! プロテイン、女性・高齢者に利用拡大

 「筋肉モリモリ、体を鍛えたい人が飲むものでしょ」
 そんな栄養補助食品、プロテインへの見方が変わりつつあります。
 ダイエットや健康増進を目的とした女性や高齢者の購入が増えており、プロテイン粉末の全国の市場規模は5年前の2倍以上に拡大しています。北海道内でも規格外の大豆を使った商品などが開発されており、商品数も増えています。コロナ禍による外出自粛が長く続いたことがきっかけになり、手軽なタンパク質の補給手段として、幅広い層が利用する食品として定着してきているようです。

日常的に摂取する女性が増加

 プロテインの多くは粉末状で、水や牛乳に溶かして飲んで摂取します。プロテインはタンパク質の英語名で、体の筋肉などを作る重要な栄養素になっています。肉や魚、豆類などの食品に含まれていますが、栄養を補助するための食品として利用されています。
 札幌市中央区南1西5にある「EZOBOLIC(エゾボリック)」には、国内外75社の計392種類のプロテインが並んでいます。客層は若年層から高齢者層まで幅広く、また、女性客も全体の3割を占めるほどに増えています。店内では1杯300円から試飲でき、味を確かめてから購入することができます。
種類豊富なプロテインが並ぶエゾボリックの店内

種類豊富なプロテインが並ぶエゾボリックの店内

 プロテイン人気を受けて、エゾボリックは1月、店のオリジナルプロテインを発売しました。味はキャラメルマキアート、チョコレート、コーヒー、トロピカルフルーツの4種類。牛乳由来の「ホエイプロテイン」を欧州から仕入れ、国内の工場で風味付けをしています。価格は3キロ入り6980円。かつて栄養補助食品メーカーに勤めていた菅野圭吾代表は「少しでも求めやすく、おいしい商品をお客さんに届けようと、オリジナルプロテインの開発に挑戦しました」と語ります。
エゾボリック代表の菅野圭吾さんと、1月から販売するキャラメルマキアート味のプロテイン

エゾボリック代表の菅野圭吾さんと、1月から販売するキャラメルマキアート味のプロテイン

 全国6千の小売店の販売データを分析する調査会社インテージ(東京)によると、プロテイン粉末の販売金額は2022年に206億円に達し、5年前の17年の102億円から約2倍になっています。
 2020年に始まった新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛を機に、これまで利用してこなかった女性や高齢者にも、ダイエットや健康増進を目的として、プロテインを飲む人が増えています。
 インテージがプロテイン購入者の男女別の年間購入金額を調べたところ、女性の購入金額の増加が顕著です。
 女性は2022年に6288円と5年前の1・3倍になっています。5年前には男性と4千円近い差があったのが、1千円ほどに縮まっており、プロテインを日常的に摂取している女性が増えているとみられます。
 インテージで販売データを分析する木地利光アナリストは、「ダイエットの効果をアピールする商品が出てから、女性の利用が増えています。とくに中高年の女性の間では、フレイルと呼ばれる加齢による心身機能の低下を予防するため、筋力の維持に欠かせないタンパク質を手軽に摂取できるプロテイン粉末の人気が高まっています」と教えてくれました。
 全国で広がるプロテイン市場。北海道内の農家や食品メーカーも、プロテインを豊富に含んだ商品を続々と開発し、市場を盛り上げています。

「もったいない」から始まった、農家発の黒豆プロテイン

 十勝管内清水町で大豆を生産する森田農場は、2018年に黒大豆の品種「いわいくろ」で製造した「十勝黒豆プロテイン」の販売を始めました。いわいくろは甘みが強く、抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富に含まれているのが特徴です。製粉機にかけて粉にする過程で余分な脂肪分を取り除き、黒大豆の持つタンパク質を高純度で取り出しています。
 経営者の森田哲也さん、里絵さん夫妻は「使っている原料はいわいくろのみ、脂肪を取り除いただけです。添加物は一切入れていません」と純度の高さをアピールしています。
黒豆プロテインを販売している森田農場の森田夫妻。大さじ1杯のプロテインを150グラムの牛乳や豆乳に溶かすと10グラムのタンパク質がとれる

黒豆プロテインを販売している森田農場の森田夫妻。大さじ1杯のプロテインを150グラムの牛乳や豆乳に溶かすと10グラムのタンパク質がとれる

 プロテイン商品を開発したきっかけは、規格外となったいわいくろの有効活用でした。いわいくろは皮が破れやすく、多いときは収穫量の4割が規格外になってしまいます。哲也さんは「味には問題ありません。タンパク質が豊富に含まれているのに、皮が破れただけで捨てるなんてもったいない。ならば、今話題のプロテインにしたら良いのではと思いついたんです」と話します。
皮が破れ、規格外となった黒大豆「いわいくろ」

皮が破れ、規格外となった黒大豆「いわいくろ」

 十勝黒豆プロテインは150グラム入り600円、600グラム入り1500円で同農場のホームページで販売しています。タンパク質を気軽に取りたいという50~60代の女性客を中心に、最近は定期購入する人が増えているそうです。

店頭に並ぶ、高タンパク商品

 粉末のプロテインだけでなく、タンパク質を豊富に含んだ食品の種類も広がっています。
 よつ葉乳業(札幌)は、1本(250グラム)あたり15~16グラムのタンパク質を摂取できる飲むヨーグルト「よつ葉北海道のむヨーグルト 朝のミルクたんぱく」を昨年4月から販売しています。北海道産の生乳で作ったヨーグルトからタンパク質を凝縮することで、同社の通常の飲むヨーグルトに比べて2倍のタンパク質を摂取できます。
 商品開発グループの高橋洋平さんは「1食あたりのタンパク質の摂取量の目安は20グラムと言われています。朝食をあまり食べる習慣のない人にも飲んでもらいたいと、商品名にあえて『朝の』と入れました」と開発の経緯を話します。
タンパク質が豊富に含まれた、よつ葉乳業の飲むヨーグルト。砂糖不使用と甘さ控えめの2種類がある

タンパク質が豊富に含まれた、よつ葉乳業の飲むヨーグルト。砂糖不使用と甘さ控えめの2種類がある

 冒頭で紹介した多くのプロテインを置くエゾボリックでも、国内の食品メーカーが製造する高タンパク食品を多く扱っています。パスタやうどん、みそ汁、スナック菓子と幅広く展開していました。
 注意してみると、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの棚に並んでいる食品にも、「高タンパク」や「プロテイン入り」などとパッケージの前面にうち出している商品が多くみうけられます。
タンパク質を多く含むことを前面に打ち出した商品が増えている

タンパク質を多く含むことを前面に打ち出した商品が増えている

 実家に戻ってみたら、88歳になる祖母が毎日プロテインを飲んでいました。祖母は健康維持の目的で通い始めたフィットネスクラブで3年ほど前にプロテインを勧められ、ヨーグルトや水に溶かして飲んでいます。
 祖母の習慣に触発されて私も日々の食事を見直してみると、1日のタンパク質の摂取量が目標値より10~20グラムほど不足していることに気付きました。毎日、意識して高タンパクとされる鶏ムネ肉や豆腐を食べているつもりだったのですが、なかなか必要とされる量を取り切るのは難しい栄養素のようです。
 もっとも、エゾボリック代表の菅野さんは「プロテインの取り過ぎには注意が必要だ」といいます。「1日の摂取量の目安を超えると肥満につながる恐れがあります。まず、自分の体格や運動量、食生活にあった量を計算してから、プロテインを上手に使ってほしいと思います」と指摘していました。
 筋肉量を維持し、健康を保ちたい人にとって便利な存在になったプロテイン。皆さんも適量を確認しながら、上手に活用してはいかがでしょうか。
(参考:北海道新聞電子版)
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