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なまらあちこち北海道|北海道の魚は鮭から変わる❓

グルメ

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ここ数年、北海道で獲れる魚の種類が変わってきたという報告が出されるようになりました。
今年はサンマが不漁で、道東の厚岸漁協直売店は最高で1匹1200円で販売するという現象が起きました。

地元の主婦は値段を見て「とても手が出ない。庶民の魚が高級魚になっちゃった」と購入を諦めたという話です。


(店頭のサンマ、提供:北海道新聞)

また、函館の方ではスルメイカの不漁が続き、関係者を嘆かせています。

北海道で「新顔」の魚たち

一方、そんな北海道で9月から、マイワシ、ブリ、ニシンの消費拡大キャンペーンが始まることとなりました。

これらの魚はここ数年、道内で水揚げが急増しているもので、マイワシとブリに関しては以前は道内ではさほど水揚げされていなかった、いわば「新顔」です。

「北海道の魚はサケ」は今は昔? 温暖化で新しい魚種に目を向ける動き
(水揚げされたブリ、提供:PhotoAC)

消費拡大キャンペーン

北海道で新しい魚が獲れだしたということで、それらの消費拡大をしようと「消費拡大キャンペーン」をはじめることになりました。

道内の飲食店にそれぞれの魚を使った創作メニューを考案、提供してもらい、それを北海道が宣伝するという形を取ります。飲食店を地域ごとに紹介するパンフレットを作り、道民へのキャンペーン普及を図るそうです。

またそれに合わせ、家庭で作りやすいレシピ集も魚種ごとに作成して全道で配布します。それにより当キャンペーンをコロナ禍に苦しむ飲食店や漁業者の支援にもつなげたい考えです。  (北海道新聞)

海水温の上昇

この要因として上げられるのが、ここ数年、温暖化や海流の変化もあり、北海道周辺の海水温が著しく上昇していることです。今年の夏には日本周辺の海の中で、北海道近辺が一番高温になるという珍事も発生しました。

そしてそれに伴い、本来冷水域を好む魚であるスルメイカやシロザケが接岸できなくなっていると見られています。ホタテやコンブなどの主要養殖物も不漁に陥っており、引き網漁ののサンマのように壊滅的な不漁となるものも出てきています。

「北海道の魚はサケ」は今は昔? 温暖化で新しい魚種に目を向ける動き
(不漁が続くサケ、提供:PhotoAC)

これらの冷水系魚介類が主要漁獲物だった北海道において、現状の高水温状態が続けば漁業全体が致命的なダメージを受ける可能性があります。そのため代替となる漁獲魚を早急に確保する必要があり、受け皿となる需要を創出すべく上記のようなキャンペーンが行われているのです。

代表はブリやイワシ

一方、次のような現象もあるのです。

北海道周辺で温暖な海域を好むブリが豊漁となり話題になったのは昨年秋のこと。それ以降ブリが漁獲される範囲は広がり、ついに道東オホーツク海でも狙って捕れるほどになりました。北海道内でも比較的水温が低い知床でもサケの定置網にブリが入るようになっています。

 

また近年は日本海側において、大型クロマグロの漁獲が増えているそうです。これまでは対馬海流から津軽海峡に流れ込む暖流に乗って太平洋方面へ回遊するマグロが多かったのですが、そのまま北海道沿岸を北上する個体も増えているようです。

「北海道の魚はサケ」は今は昔? 温暖化で新しい魚種に目を向ける動き
(釣りあげられたシイラ。提供:PhotoAC)

函館港では昨年イワシの大量死が話題となりましたが、いまや道南近海で一番の資源量を誇るのはイワシだともいわれています。サンマの漁獲減に伴い、生態の似ているイワシが増えてきていると見られます。「暖流の申し子」ともいわれるシイラすらも見られるようになり、これを狙う遊漁船も出ているそうです。

このまま北海道周辺の水温上昇が続けば、今まで獲れていた鮭は、もう北海道特産品ではなくなってしまいかねません。漁師さんたちも戸惑い、私たちも困惑しています。異常気象もそのせいでしょうかね。心配です。

(参考:サカナ研究所HP、北海道新聞電子版、エーウロコHP)

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