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なまらあちこち北海道|サウナでととのう・札幌

健康

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サウナ、北海道で熱く「ととのいやすい土地」

「1、2、サウナー」。声を合わせる客たちに、タオルで「熱波」を送る渡会広志さん(右)=札幌市中央区の「ニコーリフレ」(小室泰規撮影)
タオルで「熱波」を送る渡会広志さん(右)

「熱波いかがですか」。札幌市中央区の男性専用スパ・サウナ「ニコーリフレ」。サウナ室でPRディレクター渡会広志さん(43)が、手首をしならせて蒸気をタオルであおぎ、熱い風を客に送る。熱した石に水をかけて蒸気を発生させる「ロウリュ」を活用した人気サービスだ。「熱波」を受け止めた客の体から、大粒の汗が噴き出した。

 ロウリュはフィンランドのサウナで親しまれてきたもので、同国のサウナ文化は2020年12月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。サウナが全国的に人気となり、道内でも新たに取り入れる宿泊施設や銭湯が増えている。

 ニコーリフレはロウリュを09年に導入した道内の草分け的な存在だ。渡会さんは、巧みなタオルさばきで、全国の愛好者「サウナー」らから「日本一の熱波名人」と呼ばれる。愛好者が全国で行きたい施設を選出する「サウナシュラン」(主催・TTNE)の人物部門で表彰を受けたこともある。札幌出張のたびに利用する東京都の会社社長、金氏一真さん(52)は「全身が温まり、汗の出方が従来のサウナとは全く違う。最高に気持ちいい」と笑顔を見せた。

 一般社団法人「日本サウナ・温冷浴総合研究所」(千葉)によると、19年にサウナがテーマの漫画がテレビドラマ化された頃から、サウナの人気が高まった。サウナの後に得られる心地よさは「ととのう」と表現され、昨年の「新語・流行語大賞」の候補30語に入った。立花玲二・代表理事(37)は「会員制交流サイト(SNS)でサウナ情報が注目され、ファンが従来の中高年の男性から20~30代に広がった」とする。

 愛好者や観光事業者らが共通して指摘するのは、サウナ人気における北海道の優位性だ。サウナの入り方などを研究・提唱する日本サウナ学会(東京)は「サウナの神髄は(サウナ後の)外気浴でリラックスすること」と指摘。「厳しい冷え込みや恵まれた自然が本場フィンランドに共通する道内は『ととのいやすい』土地だ」とする。

 優位性に着目して、サウナを活用して観光誘致や地域振興などを目指す取り組みも道内で広がっている。

 日本旅行北海道(札幌)は今冬、初めて1泊2日で道内のサウナを貸し切りハイヤーで巡るツアーを販売。道外の経営者などから問い合わせが相次いだという。同社営業企画部の佐々木博章課長は「道内各地の施設を個人で巡るのは難しく、商機がある」と期待を込める。

 札幌国際大の藤崎達也准教授(観光学)は「サウナは国外でも人気があり、『コロナ後』の外国人観光客誘致の切り札にできる」と話す。北の大地で、サウナ人気はますます熱を帯びそうだ。

 

■汗かくだけじゃない 「聖地」続々

 道内各地で、人気のサウナを地域振興や観光誘致に活用することを目指す取り組みが行われており、愛好者らの反応も上々という。サウナが集客に向けたアピールポイントになっている宿泊施設もある。工夫を凝らした取り組みや、自然豊かな景観などで、いかに他と差別化を図るかがカギのようだ。(池田大地)

■免疫力向上 精神的安定にも 帯広・北斗病院 加藤容崇医師

 医師の立場から見たサウナの魅力や「ととのう」状態についてどうみるか。日本サウナ学会代表理事で、北斗病院(帯広)医師の加藤容崇(やすたか)さん(38)に聞いた。

 ――医師として、サウナの魅力をどう考えますか。

 「疲労回復や睡眠の質の向上、免疫力の向上などが期待できます。たくさん汗をかくことで、体内の余分な塩分や水分が排出されます。自律神経が刺激され、鍛えられることで、精神的な安定につながります」

 ――幅広いですね。

 「フィンランドでは認知症になるリスクが約7割減少したという研究もあります。ただ、ジョギングなど軽い運動をした時ぐらいの負担がかかりますので、持病がある方、飲酒後などは注意が必要です」

 ――「ととのう」とはどういう状態ですか。

 「身体はリラックスしているけれど、頭ははっきりしている状態。集中力や決断力、発想力といった能力が高まります。サウナから水風呂、そして外気浴への流れの繰り返しで、体内にめまぐるしい変化を起こすことが、ととのう状態へとつながります。ただ、『ととのう』状態は数分間程度しか続きません」

 ――サウナ室内での新型コロナウイルスの感染リスクが気になります。

 「湿度が高いと飛沫(ひまつ)は遠くまで飛びません。感染リスクが特段高いわけではありませんが、会話は控えた方がよいでしょう。この機会に、あらためてサウナ室内でのマナーについて考えるべきではないでしょうか」

 ――2019年に学会を設立しました。

 「サウナの健康効果について、まだまだ因果関係が証明されていないものも多くあるのが現状です。研究を重ねて効果の最大化につなげていきたいですね」

■あったまって雪に飛び込む これぞ「ととのう」

 サウナがテーマの漫画をテレビドラマ化した「サ道」(2019年7月から21年9月まで、テレビ東京系=道内はTVH=で放送)はサウナ人気のきっかけになったともされる。主演のタレント原田泰造さん(51)が、サウナの人気や道内の印象などについてコメントを寄せた。

 あったまって、冷やして休む。これの繰り返しで「ととのう」。サウナの魅力は、やっぱり「ととのう」こと。考えただけでサウナに行きたくなります。(番組では)吹上温泉保養センター白銀荘(上川管内上富良野町)、OMO7旭川(旭川市)の2施設で宿泊し、撮影させてもらいました。サウナを堪能しました。白銀荘では、サウナから出て雪に飛び込む生まれて初めての体験をしました。北海道にはまだまだ行ったことのない施設、行きたい施設がたくさんある。ご飯はどこで食べて、どこのサウナに入ろうかと計画を立てる時が一番幸せなのかもしれません。

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