札幌真栄が札幌工を下し、3季通じて初となる全道大会(16日開幕、大和ハウスプレミストドーム)出場に王手をかけた。1回に吉田利愛(そいあ)内野手(2年)の右中間2点適時二塁打などで4点を先制。3回には5安打で一挙6点を奪うなど、自慢の打線がつながった。

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2試合連続の初回得点で、札幌真栄が勢いに乗った。1回1死一、三塁で、4番の主将・高田蒼士内野手(2年)の二ゴロの間に先制。続く二、三塁の好機に、吉田が右中間を破る2点適時二塁打を放った。

結果的に13安打で12点を奪い、5回コールドで札幌工を圧倒。高田は「僕は打ってないですけど、みんなが打ってくれて頼もしかった」と笑った。今年4月に矢原宙和監督(36)が就任。「練習も試合も選手の自主性を優先」という方針で、選手自身が望んだ打撃練習を全体メニューの半分以上にあて、得点力が一気に向上した。

 

今夏に20年夏以来12季ぶりの公式戦勝利を挙げると、秋は早くも2勝で代表決定戦までたどりついた。「ちょっと予想より早い」という指揮官は、大東大時代に野球部の学生コーチを経験。「浦和学院など強豪校から来る選手に『どんな練習をするの?』と聞きましたし、いろんな学校から来る選手をまとめる方法も学びました。当時のことは指導に生きていると思います」と話す。

6日の代表決定戦は、8月の練習試合で4-5と惜敗した札幌南が相手。高田は「夏に1勝の目標を突破できて、『ここからチームを変えてやる』という気持ちが強くなった。とにかく打ち勝って、その流れを守備に生かしたい」。甲子園出場経験もある相手に立ち向かい、新しい歴史を切り開く。