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なまらあちこち北海道・|80歳の現役SL・釧路

北海道

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現役続行が決まる

冬の間、釧路湿原を颯爽と走っていたSL「冬の湿原号」の現役続行が決まりました。

観光客にも人気のSLは80歳という年齢のため、現役引退も仕方がない、と思われていましたが、この度のJR北海道の決定により、現役続行となりました。
SLファンの身としては嬉しいことです。

煙と蒸気を噴き上げながら釧路湿原を疾走する蒸気機関車C11形171号機=2月11日、釧路町の通称・仮監峠踏切付近(加藤哲朗撮影)

(疾走する蒸気機関車C11形171号)

 

黒い巨体から煙と蒸気を吐き出し、釧路湿原を走るSL冬の湿原号は、北海道内の路線で唯一の蒸気機関車です。

昨年「80歳」を迎え、140年続くSL文化も引き受けて走っています。今年の夏から4億円かけて客車5両と共に全面改修に入ることになりました。

絶滅寸前のSLを「道民の宝」として守り伝えられています。

湿原号のSLは1940年(昭和15年)7月に神戸市で生まれ、釧路機関区で活躍しました。一時、釧路管内標茶町の桜児童公園で展示されていましたが、1999年に約5千万円かけ復元され今の務めを果たしています。

運行前の車庫。機関士(左)の横で機関助士が投炭して走行に必要な蒸気をつくる=2月22日午前9時ごろ(加藤哲朗撮影)
(運行前の車庫で)

SLは蒸気が全ての動力源となっています。車輪を回転させ、客車のブレーキ用の圧縮空気もつくり、ライトや自動列車停止装置(ATS)を動かす発電機も回します。

運転室左側に座る機関士が前進ギアに入れると、蒸気が機関車の前方左右二つのシリンダーに入り、3軸6輪につながるピストンを動かし始めます。

「シュッ、シュッ、シュッと、巨大な車体が進みだし、蒸気が辺りを真っ白に包みます。これがSLの姿、私たちが求める世界です。

湿原号は連結する客車5両も52~74年製の年代もです。石炭を積み込み、「ボォー」と高らかな汽笛を響かせ、釧路駅からの旅が始まります。

標茶駅まで片道1時間半。車内には湿原の動植物を説明するガイドさん5人が交代で乗り込みます。その1人は「80歳の大先輩は第2の『人生』でもよく働きます」と笑顔で語っていました。

帰路はバック運転で進みます。機関士さんによると、バック運転はブレーキの使い方に一番気を使います」と話しています。

車庫に戻ると、翌日に向け整備が始まります。SLは「特別な部品ばかり。壊れたら、もう走れなくなります」ということらしいです。それだけに気を遣って整備をする必要があります。

運行後、蒸気の力で圧縮空気をつくる装置や足回りに潤滑油を補充するJR北海道の作業員=2月22日午後4時ごろ(加藤哲朗撮影)
(整備の様子)

 

かつてJR北海道は「SLニセコ号(札幌―蘭越間)」や「SL函館大沼号(函館―森間)」などを季節限定で運行していましたが、安全基準の見直しで2014年度を最後に廃止して、今ではSL運行は釧網線だけとなっています。

煙と蒸気を噴き上げながら釧路湿原を疾走する蒸気機関車C11形171号機=2月11日、釧路町の通称・仮監峠踏切付近(加藤哲朗撮影)

(煙と蒸気を噴き上げながら釧路湿原を疾走)

それだけに、この湿原号が全面改修されるのは私たちSLファンも嬉しいことです。

今年の夏、トレーラーで苗穂工場(札幌)に運ばれ、1億円かけ8年ぶりの全般検査を受けることになっています。客車も3億円かけトイレの洋式化や発電用エンジンの交換など全面改修されることとなっています。

今からその雄姿を見るのが楽しみです。

(参考:北海道新聞電子版、JR北海道HP、TETSUDO.COM)

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