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なまらあちこち北海道|脚光を浴びる宇宙産業、ロケット実験広く受け入れ・大樹町

産業

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大樹町は早くから宇宙産業を受け入れ、「宇宙港」としての存在を大きくしています。国内外からの視察者も多く、今後ますます発展していく産業として注目されています。

宇宙産業の拠点に脚光 大樹のHOSPO ロケット実験広く受け入れ 視察急増

HOSPOの施設内を視察する外国人留学生=11日(中川明紀撮影)
HOSPOの施設内を視察する外国人留学生
大樹町
 十勝管内大樹町の宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」が宇宙関連産業の新たな拠点として注目されている。
 企業や官公庁などの視察が相次ぎ、2023年度は約2300人と22年度の4倍近くに急増。24年度は発射場工事による一部制限にもかかわらず、23年度並みと見込まれている。宇宙産業の発展や人材育成の重要施設として認知度が高まっていることを意味しており、同町や北海道は地域活性化の中核として期待する。
 「滑走路の延伸で小型ジェット機を使った実験もできるようになった」。同町航空宇宙推進室の担当者は11日、HOSPOを訪れた留学生に、滑走路が6月に300メートル延びて全長1300メートルになったことや、ロケット実験の実績などを説明した。
 視察は国際協力機構(JICA)が企画。宇宙技術を研究するため、ベトナムやフィリピンなどの政府機関から日本の大学に留学している男女6人が参加した。北大大学院で衛星データの活用法などを研究するルワンダ宇宙庁のジーン・ディエ・ビリンジロさん(35)は、「すばらしい施設。ルワンダとの連携も探りたい」と話した。
 HOSPOは同町が整備し、21年に本格稼働。ロケットの発射場や滑走路などを備えている。23年度には従来の視察に加えて修学旅行を含む見学ツアーの受け入れを始めた。
 運営するスペースコタン(大樹)によると、23年度は企業や官公庁、大学・研究者の視察だけで計801人と前年度比2.4倍となり、見学の832人なども合わせると計2307人と3.6倍に増えた。24年度の来場者は今月10日時点で予定を含め1038人となっている。
 国内にはロケット打ち上げなどの実績がある宇宙港が4カ所あるが、民間企業の実験を広く受け入れているのはHOSPOのみ。台湾系企業によるロケットの打ち上げ計画も明らかになっており、スペースコタンは「民間宇宙開発が進展し、ロケット打ち上げの拠点となり得るHOSPOへの関心が高まっている」とみる。
 宇宙産業への就職を目指す学生の見学も目立つ。11日はJICAの視察とは別に、道主催ツアーで10代から50代の29人がHOSPOの展示施設や滑走路を見学した。東京理科大3年の早川さくらさん(20)は「将来、自分が開発に携わった衛星を北海道から飛ばしたい」と語った。
 道スタートアップ推進室は「道内の大学や高専から宇宙産業への就職が広がるよう、今後も見学会を開きたい」とし、大樹町は「開かれた発射場を目指し、国内外の政府や企業と連携、協力したい。宇宙産業がまち活性化の核になれば」と期待する。
(参考:北海道新聞 会員限定記事)

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