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代表27人のうち、19人が北海道勢で占めたスピードスケートは2026年のミラノ・オリンピックに向けて始動し始めた。北海道代表の選手たちの活躍に期待したい。
2026年冬季五輪プレシーズン開幕 高木美帆らスピードスケート代表の7割は北海道勢
2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪へ向けたスピードスケートのプレシーズンが幕を開けた。高木美帆(TOKIOインカラミ、帯広南商高出)や新濱立也(高崎健康福祉大職、釧路商高出)らが国内開幕戦の全日本距離別選手権(10月25~27日、長野市エムウェーブ)で好発進した。
ワールドカップ(W杯)前半戦の日本代表には北海道出身選手が、全27人の7割に当たる19人入るなど「スケート王国」らしい強さを見せ、五輪へと突き進んでいる。
高木圧勝 それでももっと「強く」
「本当にここからだなと思う。(今後の)国際大会を強い気持ちで戦いにいきたい。(もっと)強くなりたい」。全日本距離別選手権を3冠で終えた30歳の高木は、笑顔を見せずに前を見据えた。
高木は今大会、1000メートルを8連覇、1500メートルを9連覇、3000メートルは7度目の優勝と圧倒的な滑りを見せた。
実績は申し分ない。2018年平昌冬季五輪で金、銀、銅を各1個、2022年北京冬季五輪では金1個、銀3個のメダルをそれぞれ獲得。世界のトップスケーターとして、得意の1500メートルでまだ手にしていない金メダルを目指して精進する。
国内では敵なしの状態の中、今大会にピークを合わせるのではなく「自分のスケーティングを探し続ける」ことに重点を置いた。「体の使い方やフォーム、(スケートの)靴、ブレードを変えること」を通してより速い滑りを追求することだった。「こういうふうに滑りたいという確実性ができ上がりつつある」と自らもうなずける内容となった。
2冠新濱 滑らかなスケーティング体得
平昌五輪代表の新濱と言えば爆発力のある、たけだけしい滑りが特徴だったが、今回は特に疲れが出る1000メートルの後半、滑らかなスケーティングで推進力を増していた。新濱も「速い動き(という)よりは、滑らすスケーティングを夏からやってきたことが大きくある。それをトップスピードでも出せるようになっているところが、今のスケーティングなのかな」と滑りが進化していることを自覚する。
新濱はナショナルチームで、2010年バンクーバー冬季五輪の男子500メートル銀メダルの長島圭一郎コーチ(池田高出)から指導を受ける。当時、「世界一美しいスケーティング」と言われた長島コーチ直伝の滑りが新濱に注入されていることも、好記録の要因と言える。
代表27人のうち19人
幸先良いスタートを切ったのはこの2人だけではない。
高校生で北京五輪に出場した新進気鋭の21歳、堀川桃香(富士急―白樺高)は女子5000メートルとマススタートの2冠を達成した。平昌、北京五輪代表の28歳、一戸誠太郎(ANA、美幌北中出)は男子5000メートルと1万メートルの長距離2冠を果たした。
■母はオリンピアン
初代表の北海道勢は、森野太陽(青森県競技力対策本部、別海中央中出)、軍司一冴(専大―白樺高)の2人。このうち森野は今春、日体大を卒業した23歳。今季初めてナショナルチームに入って頭角を現し、長距離の男子5000メートルで代表切符をつかんだ。
母は1994年リレハンメル冬季五輪と1998年長野冬季五輪代表の楠瀬(旧姓)志保さん。「小さいころから『母はオリンピック選手』と言われながらスケートをやってきた。何かと比べられるけど、偉大な先輩でもあり、自分の良き理解者」と森野。自身が競技を始めた「別海スケート少年団白鳥」の先輩にはオリンピアンの新濱と森重がおり、「(自分が)なかなか結果を出せていなかったけど、(次は)俺が、という思いはずっとあった」と闘志を燃やす。
W杯前半戦は第1戦の長野大会が11月22~24日、第2戦の北京大会が同29日~12月1日にある。飛躍を期す日本代表の中心にいる高木は「世界の選手のレベルも年々上がっている。その猛者たちとこの会場で戦えることをすごく楽しみにしているし、そこで自分の渾身(こんしん)の滑りをしたい」としている。
(参考:北海道新聞デジタル発)
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