雪に埋もれながらもまったく動かないエゾシカの動画が、ツイッター上で大きな話題となっています。

首まで雪に埋まっても、微動だにしないエゾシカ。置物…かと思いきや、動画の中盤から口だけもぐもぐと動き始めました。

横殴りの雪の中でマイペースを貫くような姿が、なんとなく笑いを誘います。それだけでなく、厳しい寒さに対して余裕そうな様子から、北海道の厳しい寒さを生き抜く動物のたくましさや力強さを感じた人も多いのではないでしょうか。

今回話題となったエゾシカは、北海道に生息するシカの一種です。北海道の動物ということで雪に強そうに思えますが、シカは一般的に積雪に弱く、エゾシカも例外ではありません。

エゾシカの成獣はメスで90kg、オスで100kg超になるにもかかわらず、蹄の面積が小さく、圧力が集中してしまうため雪に埋もれやすいのだそうです。

画像のエゾシカの撮影場所について@yoshihiro_abikoさんに聞いてみると、北海道の野付半島で撮影したとのことでした。野付半島は、知床半島と根室半島の中間に位置し、オホーツク海に腕を伸ばすように広がっています。

エゾシカがこの場に座り込む瞬間から観察を続けていた@yoshihiro_abikoさん。暴風雪により、1時間もしないうちに画像の状況になったそうです。

当時の心境については、「こんな状況でも座ったままで逞しいなと思う反面、脱出できるのかな?と心配になりました」と語ってくれました。

また、雪が食料となる植物を覆ってしまうことにより、餌事情も厳しくなってしまうのだとか…。

実は積雪が苦手だということを踏まえると、動画のエゾシカの泰然自若っぷりが、よりかっこよく見えてくるような気がします。

投稿したのは、フォトグラファーの@yoshihiro_abikoさん。

当ツイートは、2023年3月8日時点で5.7万件を超えるいいねを集めており、「はっ、動いた!」「よくできた置物ですこと」「この状況でもマイペースなんですね」「さ、寒そう…」など、驚きや笑いの声が多数寄せられています。

エゾシカへの心配は杞憂だった

取材の最後、撮影後のエゾシカについて聞くと、「何事もなかったようにすっと立ち上がって、欠伸をした後に、周辺で餌探しを始めました」との回答が。なんという強者感…心配は杞憂だったようですね。