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なまらあちこち北海道|アニメファンの聖地巡礼・道内舞台の10作品

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北海道を舞台としたアニメが人気ですが、その作品の舞台となった地を巡る「聖地巡礼」が人気となっています。

お正月休み、北海道を舞台にした漫画、アニメに触れてみてはいかが? 数多い中から、近年の話題作を中心に紹介します。作品の舞台やモデルとなった場所や施設を訪ね歩くことを、ファンは「聖地巡礼」と呼びます。暖かくなったら足を運んでみませんか。(地図の白抜き数字の8作品のみ記事で紹介します)

ゴールデンカムイ=函館市、日高管内平取町、網走市、旭川市、札幌市、小樽市など

「ゴールデンカムイ」でクライマックスの舞台の一つとなった函館の五稜郭跡。昨年9月に初開催された「五稜郭コスプレフェスタ」では、登場人物になりきったファンが道内外から集まった
「ゴールデンカムイ」でクライマックスの舞台の一つとなった函館の五稜郭跡。昨年9月に初開催された「五稜郭コスプレフェスタ」では、登場人物になりきったファンが道内外から集まりました。

明治末期の北海道を主な舞台に、アイヌ民族の少女らが繰り広げる金塊争奪戦を描いた「ゴールデンカムイ」。作者は北広島市出身の野田サトルさんで、昨年4月に雑誌「週刊ヤングジャンプ」での足かけ8年にわたる連載が完結しましたが、単行本の売り上げは2千万部を超える大ヒットになっています。

 網走監獄(網走)や神居古潭(旭川)をはじめ、札幌や小樽、樺太などを舞台にした冒険のクライマックスは函館。黄金のありかとして描かれた国特別史跡・五稜郭跡には、昨春の雑誌掲載直後から“聖地巡礼”の観光客が目立つようになっているということです。

 作中に登場した城郭内の兵糧庫では昨夏、1カ月限定の一般公開に前年比2・4倍の1万7千人が詰めかけました。9月には市民有志が五稜郭跡でコスプレイベントを開き、メークや衣装でゴールデンカムイの登場人物になりきった愛好家が全国から集結しました。

 また、冒険の途中で主人公らが立ち寄った日高管内平取町の「二風谷コタン」周辺では地元観光協会が2年前から、ゴールデンカムイの世界観を生かした謎解きイベントを開催。作中で描かれたマキリ(小刀)は町内のアイヌ工芸作家・貝沢徹さんの作品がモデルになっており、貝沢さんの工房にも多くのファンが足を運んでいます。(函館報道部 中橋邦仁、静内支局 杉崎萌)

櫻子さんの足下には死体が埋まっている=旭川市、上川管内当麻町、留萌管内増毛町

ファンに人気のシフォンケーキと紅茶を持つ「ライフ・ラプサン」の糠谷功二さん(右)と妻の真紀子さん(諸橋弘平撮影)
ファンに人気のシフォンケーキと紅茶を持つ「ライフ・ラプサン」の糠谷功二さん(右)と妻の真紀子さん(諸橋弘平撮影)

札幌市出身の太田紫織(しおり)さんがウェブ小説として2012年に発表した「櫻子(さくらこ)さんの足下には死体が埋まっている」。13年に角川文庫で書籍化され、昨年3月に17冊目で完結するまでに、コミック化、テレビアニメ化、ドラマ化が実現しました。舞台は旭川市で、実在する店や高校、橋、スイーツなどがリアルに描かれています。

骨に詳しく、法医学の知識もある九条櫻子が旭川や近郊の町で事件に遭遇し、解決に導く物語。作中で高校1年の館脇正太郎が、紅茶とシフォンケーキを口にした喫茶店「ライフ・ラプサン」(旭川市東光1の3)は聖地の一つです。

 アニメ放送は15年に終わりましたが、「今でもファンだという人が来てくれる」と店主の糠谷功二さんは作品の根強い人気を喜んでいました。(旭川報道部 菅沢由佳子)

道産子ギャルはなまらめんこい=北見市

漫画「道産子ギャルはなまらめんこい」第1巻の表紙(C)伊科田海/集英社
漫画「道産子ギャルはなまらめんこい」第1巻の表紙(C)伊科田海/集英社

 漫画家伊科田海(いかだかい)さん(北見市出身)による北見を主な舞台とした青春漫画「道産子ギャルはなまらめんこい」(どさこい)がこのブログでも紹介しましたように今年、テレビアニメ化されることになっています。

集英社のウェブ漫画サイト「少年ジャンプ+」で連載中の「どさこい」は、東京から北見へ引っ越してきた男子高校生の四季翼が、地元の女子高生の冬木美波ら「道産子ギャル」に囲まれながら北海道の風土に触れるラブコメディー。作中でJR北見駅や市内の「北の大地の水族館」、「北見冬まつり」などが登場します。

 伊科田さんは「どさこいを通じて北海道に興味を持ってもらい、遊びに来る人が増えればうれしい」と力を込めています。市などは聖地巡礼マップの作製に向けた検討を進めており、市商工観光部は「着地型観光の新たな商品づくりを目指して取り組んでいきたい」と話しています。(北見報道部 山田健裕)

週末キッチン=釧路市など

漫画「週末キッチン」に登場する釧路市の和商市場(C)Tortoise Sugimura/LINE Digital Frontier
漫画「週末キッチン」に登場する釧路市の和商市場(C)Tortoise Sugimura/LINE Digital Frontier

漫画アプリ「LINEマンガ」で昨年末まで連載された「週末キッチン」。裕介(34)、カズ(35)、ヨッシー(28)の独身男性3人組が料理やグルメ旅を楽しむ日常を描いた作品で、「釧路旅行編」ではヨッシーの出張に2人も便乗し、3人が1泊2日で釧路を訪れる内容です。

和商市場の勝手丼や「まるひら」の釧路ラーメン、「炉ばたつんどら」の炉端焼きなど、実在の飲食店とグルメが多く登場します。

 3人が地元漁師に料理をおごってもらうエピソードなどは、作者のトータス杉村さん(東京在住)自身の釧路旅行体験がモデルになっています。杉村さんは「食べ物がおいしく、地元の人も温かい釧路の魅力を伝えたくて、作品に登場させた」と話しています。(釧路報道部 伊藤凱)

銀の匙 Silver Spoon=十勝管内

八軒勇吾(右)と御影アキが手にする、ばん馬の形をした絵馬(C)荒川弘/小学館
八軒勇吾(右)と御影アキが手にする、ばん馬の形をした絵馬(C)荒川弘/小学館

十勝管内幕別町出身の漫画家荒川弘さんの「銀の匙(さじ) Silver Spoon」は、道内の農業高校を舞台に主人公・八軒勇吾の成長を描いた漫画です。2011~19年に「少年サンデー」で連載。アニメ化、映画化されました。

 帯広競馬場や帯広市中心部など実在の施設や場所をモデルにした場面が数多く登場し、道内外のファンを魅了しました。帯広神社も八軒がヒロインの御影アキと訪れた「聖地」の一つ。ばん馬の形をした絵馬に2人が同じ願い事を書いた場面が印象的でした。坂(障害)を乗り越えて進むばん馬は縁起がよく、受験生から人気。権禰宜(ごんねぎ)の佐々木昌和さん(48)は「作品を入り口に、十勝の良さを知ってもらえた」と評価しています。

 絵馬は千円。なお、モデルとされる農業高校や牧場は、家畜伝染病の感染防止のため許可がない訪問を禁じています。(帯広報道部 田口友博)

ウマ娘 プリティーダービー=日高管内

ウマ娘の等身大パネルと記念撮影を楽しむ親子。右がウイニングチケット、左がG17勝のテイエムオペラオー
ウマ娘の等身大パネルと記念撮影を楽しむ親子。右がウイニングチケット、左がG17勝のテイエムオペラオー

競馬界の往年の名馬を擬人化した美少女キャラクターがレースの制覇を目指す「ウマ娘 プリティーダービー」。ゲーム会社「サイゲームス」(東京)が手掛け漫画やテレビアニメなど多媒体で展開されており、スマートフォン向けゲームアプリで人気が沸騰しました。

馬産地の日高管内では、日高振興局が同社の協力でクラシック三冠馬ナリタブライアン、日本ダービー馬ウイニングチケットなど主要キャラの等身大パネル14枚を用意。7町で展示し、多くのファンが訪れています。

 実在のウイニングチケットが暮らし、パネルもある浦河町の観光宿泊施設「うらかわ優駿(ゆうしゅん)ビレッジアエル」では若者の宿泊が増加しました。田村浩一フロントマネージャーは「これを機に馬産業に興味を持つ人が増えたらうれしい」と話しています。(浦河支局 和田樹)

スピナマラダ!=苫小牧市

漫画「スピナマラダ!」に登場する白鳥王子アイスアリーナ
漫画「スピナマラダ!」に登場する白鳥王子アイスアリーナ

苫小牧が舞台の高校アイスホッケー漫画で、人気漫画「ゴールデンカムイ」の作者野田サトルさん(北広島市出身)の連載デビュー作。2011~12年に週刊ヤングジャンプ(集英社)で連載されました。タイトルはホッケーの技「スピナラマ」と北海道弁の「なまら」をかけた造語です。

 作中にはJR苫小牧駅や北大苫小牧研究林、王子製紙苫小牧工場などが登場。白鳥王子アイスアリーナは主人公が観戦した全国大会の会場として描かれ、いまもアイスホッケーやスケートの試合が開かれています。

 主な設定を引き継ぐ新作が、この春にも同誌で連載開始予定で、苫小牧市と苫小牧観光協会は集英社に連携を提案しました。野田さんは「(『スピナマラダ!』は)中途半端に終わり後悔が残った。新作はパワーアップしたい」と語っています。(苫小牧報道部 小林彩乃)

邪神ちゃんドロップキック=千歳市、釧路市、帯広市、富良野市

観光名所が登場するなど千歳市とコラボレーションしたアニメ「邪神ちゃんドロップキック」(C)ユキヲ・COMICメテオ/邪神ちゃんドロップキック’製作委員会
観光名所が登場するなど千歳市とコラボレーションしたアニメ「邪神ちゃんドロップキック」(C)ユキヲ・COMICメテオ/邪神ちゃんドロップキック’製作委員会

テレビアニメ「邪神ちゃんドロップキック」は、上半身が少女、下半身が蛇の姿をした悪魔「邪神ちゃん」が活躍するコメディー。千歳出身の声優鈴木愛奈さんが主人公の声を務めています。

 2018年に北海道文化放送(UHB)などでテレビアニメ第1期が放送され、19年に千歳市がふるさと納税で費用を募り、翌年、地元が舞台の特別編「千歳編」を制作。放送後、ファンが支笏湖などを訪れ、反響を呼びました。

 釧路、帯広、富良野でもご当地版が作られ、釧路編では釧路湿原、帯広編ではばんえい競馬、富良野編ではワインなどが登場しました。鈴木さんを観光PR大使に任命した千歳市には継続してファンが訪れており、「『千歳市も応援したい』と言ってくれています。心強い応援団です」(観光課)ということでした。(千歳支局 犬飼裕一)

(参考:北海道新聞ニュース電子版)

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