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なまらあちこち北海道|米女子バスケ大活躍の町田瑠唯選手の凄さ

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スポーツを扱うのは珍しいことですが、北海道出身のプロ選手が活躍しているのを是非知っていただきたくて掲載しました。

 女子バスケ、好きですか? 昨年の東京オリンピックで銀メダルを取ったことで注目した人も多いはず。そう、今の日本女バスは、とっても強いんです。そしてその立役者は、旭川市出身で札幌山の手高校卒の町田瑠唯選手(29)。スピード、パスの正確さはピカイチで、「アシスト女王」の異名を取りました。米女子プロバスケットボールWNBA、ワシントン・ミスティックスからオファーを受け、この春に渡米した町田選手。バスケの本場でも、世界の猛者たちの中で存在感を放っています。そのスゴさの秘密を紹介します。(ワシントン駐在 広田孝明)

 6月17日、ミスティックス対ミネソタ・リンクスの試合が首都ワシントンで行われました。ワシントンはミスティックスの本拠地でホームゲーム。会場には日本人のファンも多く詰めかけ、熱気に包まれました。

リンクス戦でパスを出す町田選手。速くて正確なパスで味方の得点チャンスが大きく広がる(広田孝明撮影)

リンクス戦でパスを出す町田選手。速くて正確なパスで味方の得点チャンスが大きく広がる(広田孝明撮影)

 

町田選手は試合時間40分(1クオーター10分が4クオーター)のうち全クオーターに計12分28秒出場し、2アシストと1リバウンドを決めました。試合は70-57でミスティックスが見事勝利しました。町田選手は5月6日の開幕初戦からこの日まで、全27試合に出場しています。

スゴさその① とにかく速い!

 この日の試合は、フリーライターの三上太(ふとし)さん(48)も東京から取材に駆けつけていました。最初に町田選手を取材をしたのは10年以上前で、町田選手がまだ札幌山の手高校在学中。その後、バスケットボール女子日本リーグの富士通レッドウェーブに入ってからは、さらに手厚く取材してきた「町田瑠唯・ウオッチャー」です。

2011年2月、札幌山の手高校バスケ部の全国3冠達成記念祝賀会であいさつする町田選手(前列手前)。当時は主将を務めていた(中川明紀撮影)

2011年2月、札幌山の手高校バスケ部の全国3冠達成記念祝賀会であいさつする町田選手(前列手前)。当時は主将を務めていた(中川明紀撮影)

 

「町田選手がコートに出ると、試合のテンポがぐっと上がるんです」。試合を見ながら三上さんがつぶやきました。アメリカの選手はたしかに体が大きいし、動きもダイナミック。でも小柄な町田選手がコートに入り、ボールにからむと、ゲームのテンポが1段階も2段階も上がります。

三上さんによると、現チームのヘッドコーチは町田選手に「テンポを上げるのがルイの仕事だ」と言っているそうです。そう、まさにそのスピードを買われて五輪金常連の米国からオファーが来たのです。他の競技にもいえることですが、プレーの緩急をつけられる選手は貴重。その早い判断力でチャンスを量産します。

スゴさその② 体が強い!

町田選手の身長はWNBAで最も低い163センチ。WNBAの選手の平均身長は181センチなので20センチ近い差があります。試合で見ても周りの選手の胸くらい。でも大きな選手の中でも、重心が低くスピードがある町田選手は十分に活躍できるのです。

この日の勝利の鍵は守備の強さ。ミスティックスは相手チームのシュート成功率を33・3%に抑え、ターンオーバー(パスカットなどによる攻守交代)を16回も奪いました。

町田選手も守備で大きく貢献しました。「いままで米国に挑戦した日本選手はパワーで押し負けるシーンが数多くありました。でも町田選手は小さいですが、ああ見えてパワーがあるんです。だから当たり負けせずに、ディフェンスでひけをとらない」と三上さん。

たしかに、試合をみていると体の軸があまりぶれません。素早い動きで、大きな選手に果敢に向かっていきます。バスケは身長だけがモノをいうスポーツではないんですね。外国人に比べて小柄な選手が多い日本人選手にとって、まさにお手本といえるプレーを見せてくれました。

スゴさその③ 強い向上心!

試合後、町田選手に取材しました。激しいプレーを終えた後ですが、快く応じてくれました。この日のプレーの自己評価を聞くと、こんな答えが返ってきました。

 「私、いいプレーをしても、自分の良くなかった方に意識がいってしまうんです」

 自分に厳しいタイプのようですね。

 「厳しいっていうか(笑)、悪い方が自分の中ですごい目立っちゃう。(今日の試合だと)シュートも打ったけど、ちょっと迷った部分があって入らなかったとか」

インタビューに答える町田選手(広田孝明撮影)

インタビューに答える町田選手(広田孝明撮影)

 

三上さんによると、ここも町田選手のスゴさだそう。町田選手は自ら課題を見つけ、克服しようとする意識がとても強いといいます。そしてこんなエピソードを教えてくれました。町田選手は小学生の頃、学校の校内マラソンで毎年優勝したそうです。ただ、それで満足しないのが町田選手。優勝しても、さらに一層、練習に取り組んだといいます。「次に向け、より良い成績(タイム)を目指してさらに練習する。ちなみに同学年はもちろん、上級生の記録にも挑戦していたそうです」

自分の悪い部分が気になるのは、さらなるプレー上達に向けて課題を見つけたということかもしれません。自らの成長を目指し、ストイックに練習と努力を積み重ねることができるからこそ、一流のプレーヤーとして活躍できるのですね。

スゴさその④ 笑顔!

町田選手は試合中でもよく笑顔を見せます。理由について本人はこう語っています。「英語を話せないので、表情と体で伝えるしかないんです(笑)。ちょっとでも伝わってくれたらいいかなと思います」

でも、チームメートのシャトリ・ウォーカー・キンブロー選手はそんな町田選手を絶賛しています。「ルイはどんなときでも笑顔。彼女がつらそうな様子を見たことがないし、彼女はそれを表に出さない。彼女の笑顔を見ると元気が出るんです。彼女に言ってないから、きっと気づいていないと思うけど(笑)」
。エリザベス・ウィリアムズ選手も「彼女の笑顔、エネルギーは周りの人に伝わるんです。一緒にプレーするのが本当に楽しくなる。ポジティブなエネルギーをもたらし続けてくれるんです」と言います。

試合中、チームメートに笑顔で応じる町田選手(右から2人目)(広田孝明撮影)

試合中、チームメートに笑顔で応じる町田選手(右から2人目)(広田孝明撮影)

 

エレーナ・デレ・ダン選手は町田選手のひたむきな姿に着目。「ルイは毎日すごく早くから練習に来て、いつも遅くまで練習しています。言葉が通じない中でも、(司令塔である)ポイントガードをうまく務めている」と話し、「彼女はミーティングの後、課題を解決するだけでなく、それ以上のことをやっているんです。彼女の吸収力はすごい」と付け加えています。

フェイスブックコメント

この日の内容について、町田選手はフェイスブックで次のようにコメントしています。

今後も機会があればスポーツ関連も掲載していく予定です。
(参考:北海道新聞デジタル発)
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