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なまらあちこち北海道|元1億円投手が富良野に移籍

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野球選手の現役時代って、いつまでを言うのでしょうか。引退したらもう現役ではない?
そのことに疑問を持つ「現役選手」がいます。もちろんプロ野球選手です。

そんな人が突然富良野に現れました!

元阪神の久保投手が無給で短期移籍「ずっと野球楽しみたい」

富良野の選手として先発した久保投手=13日、砂川市営球場
富良野の選手として先発した久保投手=13日、砂川市営球場

 

かつてプロ野球界で「投げる哲学者」とも呼ばれた頭脳派右腕が、独立リーグを盛り上げようと富良野で奮闘しています。

久保康友投手(42)。プロ1年目の千葉ロッテで新人王を獲得し、阪神、横浜DeNAで通算97勝をあげ、年俸も一時1億円を超えた年もあります。そんな選手が北海道ベースボールリーグ(HBL)の富良野ブルーリッジに突然、無給で12日間のレンタル移籍してきたのです。

「自分にあったレベルで競技を楽しみながら古い体質が根強い野球界を変えたい」と笑顔で話しています。

異例のレンタル移籍は、独立リーグ発展のため「何事も挑戦し、失敗しないと改善点は見えてこない」という久保投手の発案で実現したものです。DeNAに2017年まで在籍し、その後海外のリーグでプレー。21年に関西独立リーグの兵庫ブレイバーズに入団し、現在に至っています。

ブレイバーズの本拠地の一つの兵庫県西脇市と富良野市は友好都市。両球団は久保の提案を検討し、8月12日から23日まで金銭を伴わない形での移籍が決まったというものです。

移籍効果はすぐに現れました。11日に富良野市民球場で開催された富良野と兵庫の交流試合は、普段のリーグ戦の約4倍の約400人が来場し、ロッテ時代からのファンで函館から来たという人もいました。13日には砂川で行われたHBLリーグ戦で先発し、3回を投げて勝利に貢献したのです。

12日の練習では、軽い準備運動と20分ほどのキャッチボールを終えると、残り2時間以上は主にチームの投手陣からの質問に答えることに専念しています。助言を受けた中川雄貴(ゆたか)投手(23)は「課題を解決するために意識すべき身体の部位などを具体的に示してもらえます」と感激した様子でした。

野球の傍らミニトマトの脇芽取りにも参加=15日、上富良野町

 

 

 

野球の合間に農作業を手伝う久保さん

野球以外でも、上川管内上富良野町の農場「しまねずみファーム」で、アスパラの収穫とミニトマトの脇芽取りに参加しています。野球で訪れたマチで歴史や産業を学ぶのはライフワークといい「そのマチに人生で関わるのは奇跡的な確率。自分の目で見て実際に体験するのが一番」と語っています。

短い移籍期間の中では選手への指導や助言にも限界があり、それがすぐ実を結ぶほど甘くないことは自覚しています。それでも「伝えたことをすぐに消化できなくても、今後練習を積む中でいつか理解できる瞬間が来れば良い」と前向きです。

現役生活にこだわる理由を問われると「『現役』の概念がわからない。現役をやめると二度と野球をやってはいけない雰囲気が日本にはある。ずっと野球を楽しめる環境をつくっていきたい」と語り、21日はホーム富良野で先発のマウンドに立つ予定です。

これで富良野のブルーリッジをはじめ、道内の独立リーグが活発になっていくと嬉しいですね。

(参考:北海道新聞電子版、富良野ブルーリッジ公式HP)

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