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なまらあちこち北海道|こんな試合があったなあ!栗山監督時代の名試合6選

スポーツ

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栗山「監督」がファイターズの指揮官を辞めて、2年目に入っています。今年はWBCで優勝するなど大きな足跡を残しましたが、ファイターズ時代にも印象に残る試合が数多くあります。その中でも印象に残る試合を記者が選びました。

【北海道誕生20年】栗山英樹監督時代の名試合6選

 現役引退後はスポーツキャスターとして活躍し、監督どころかコーチの経験すらなかった栗山氏が、選手とのコミュニケーションを重視し、数々のスターを育て上げました。

ファイターズでは2012年から2021年までの10年間でリーグ優勝2回、日本シリーズ制覇1回。簡単に語れるものではないのですが…。
あえて選んだ6試合でその足跡と時代を辿ってみることにします。

開幕投手に斎藤佑樹を大抜擢!

斎藤佑樹が監督初勝利をプレゼント 【(C)H.N.F.】
(2012年3月30日 vs.埼玉西武ライオンズ@札幌ドーム)

 記念すべき新生ファイターズ初陣の先発を託されたのは、自身初の開幕投手となるプロ2年目の斎藤佑樹選手でした。

鳴り物入りで入団した右腕は、ルーキーイヤーだった2011年に6勝をマークしていたのです。前年までエースとしてチームを牽引していたダルビッシュ有がメジャー移籍。指揮官は背番号「18」がチームに認められる投手になってほしいと、未来のエースへの思いを込めてマウンドに送りました。

早実高時代にはエースとして2006年夏の甲子園で全国制覇を果たし、早大を経てドラフト1位で入団。数々の大舞台を経験してきた男は、プレッシャーを力に変える力をもっていました。

プロ最速タイの145キロを記録するなど、強打の西武打線を4安打1失点に封じ、プロ入り後初の完投勝利。チームに4年ぶりの開幕白星をもたらしたヒーローは、お立ち台で「今は〝持ってる〟ではなく〝背負っている〟という気持ち。隙だらけかもしれませんが、ダル(ダルビッシュ)さんの穴を少しでも埋めていきたい」と力強く宣言したのです。

これ以上ない最高のスタートを切った栗山ファイターズ。14勝を挙げてリーグMVPに輝いた吉川光夫の飛躍もあり、就任1年目で見事リーグ優勝を果たしました。

「1番・投手」大谷翔平

先頭打者本塁打と無失点 【(C)H.N.F.】
(2016年7月3日 vs.福岡ソフトバンクホークス@ヤフオクドーム)

 敵地・ヤフオクドームで、大谷劇場が開演しました。
自身初の「1番・投手」で先発出場。プロ野球史上初となる投手の先頭打者本塁打をマークし、投げては最速161キロをマークするなど8回を5安打無失点で自身7連勝となる8勝目を挙げました。

ショータイムの幕開けはプレーボール直後の一回、初球でした。マウンドより先にまっさらな打席に立つと、ソフトバンク・中田投手の124キロのスライダーに反応し、力強いスイングで、右翼席中段へアーチをかけたのです。

「先入観にとらわれない」がモットーの栗山英樹監督らしい大胆采配でした。理由は「1番いい打者にたくさん打席が回る方がいい」といたってシンプル。1カ月前から、コーチ会議で熟考を重ねた〝秘策〟でした。登板前日に二刀流を監督室に呼び出し、1971年のヤクルト・外山義明以来となる「1番・投手」での起用を通達しました。

そんな指揮官の期待に応えるべく、大谷選手は試合前のロッカールームで「貪欲にホームランを狙います!」と堂々宣言し、周囲の度肝を抜きました。そして有言実行の一発を放ち、チームメートだけでなく、野球関係者を驚かせました。

当時、首位を独走していたソフトバンク相手に、球史に残る1勝をマークしたのです。この勝利は最大11.5ゲーム差をひっくり返しての逆転優勝につながるターニングポイントとなった勝利でした。

日本球界最速165キロ

どよめきと歓声がドーム内にこだました 【(C)H.N.F.】
(2016年10月16日 vs.福岡ソフトバンクホークス@札幌ドーム/CSファイナルステージ第5戦)

 日本シリーズ進出を懸けた短期決戦で、漫画より劇的なストーリーが描かれました。「3番・DH」で出場した大谷翔平が9回に救援登板。自身が持つ日本記録を更新する球速165キロをマークし、プロ初セーブを挙げました。

CSファイナルステージ第1戦に先発登板し、勝利投手になった二刀流は、第2戦からDHで出場を続けていました。栗山英樹監督からは事前に「ここだけは無理をするぞ」と、1年目だった2013年8月18日のソフトバンク戦(帯広)以来となる打者出場からの救援登板を打診されていました。

そしてアドバンテージを含む3勝2敗で迎えた第5戦。初回に4点を失うなど序盤から劣勢を強いられる展開となり、大谷選手は首脳陣に「行きましょうか」と直訴したのです。登板に向けて、準備を進めていたはずです。チームは中盤に逆転に成功し、3点リードで9回へ突入。「指名打者・大谷がピッチャー」とアナウンスされると、札幌ドームは大歓声が巻き起こりました。

先頭・松田選手への初球は163キロ。続く吉村選手の初球で自己最速を1キロ上回る165キロを投げ込み、2者連続三振を奪いました。本多選手にも165キロを2球投げ込み、最後は149キロのフォークボールで遊ゴロに打ち取りました。

クライマックスシリーズを突破し、日本シリーズ進出が決定。花巻東高時代に立てた「球速165キロ」の目標を果たした大谷選手は、その後、プロ入り時の目標「日本一」を成し遂げることになったのです。

この後、優勝からは遠ざかったものの、印象的な試合・シーンは数多くありました。

7球団競合ルーキー・清宮幸太郎、プロ初アーチ!

プロ初本塁打は右翼席へ 【(C)H.N.F.】
(2018年5月9日 vs. オリックス・バファローズ@京セラドーム)

 黄金ルーキー・清宮幸太郎選手に、出場7試合目で待望のプロ初本塁打が飛び出しました。

高校通算111本塁打という大記録を引っ提げて、2017年に7球団競合の末、ドラフト1位でファイターズに入団しました。体調不良に見舞われ、開幕は出遅れましたが5月2日に1軍デビュー。二回、オリックス・ディクソンの初球を右中間スタンドへ運び、デビューから連続試合安打を「7」に伸ばしたという記録も作りました。

奇しくも、この試合は主砲の中田翔選手が通算1000安打を達成するなどメモリアルデーでした。高校を卒業したばかりの18歳はあどけない表情を浮かべて、「忘れられない1日なりました」と喜びを噛みしめました。敵地・京セラドームで放った記念すべき一発には、こんな裏話もありました。

この日の試合前、栗山英樹監督は自身のパワースポットである天王寺動物園に足を運んでいました。「いつもは行かない」とフラミンゴの展示ゾーンにたまたま立ち寄ったといいます。フラミンゴの一本足打法といえば、早実高出身で清宮選手の大先輩でもあるソフトバンク王貞治球団会長兼特別チームアドバイザーです。指揮官は「幸太郎がホームラン打つ」と予感がしていたと後で語っていました。

そんな清宮選手も今年でプロ6年目。度重なる怪我や不振を乗り越え、チームの顔になりつつあります。

史上初!開幕延長戦サヨナラ満塁弾!

4年ぶりの開幕戦白星をもたらす 【(C)H.N.F.】
(2019年3月29日 vs. オリックス・バファローズ@札幌ドーム)

 4番・中田翔選手の劇的な一振りが、チーム4年ぶりの開幕戦白星をもたらしました。
屈辱的な扱いに、主砲が燃えないわけがありませんでした。2点を追う八回、ファイターズが同点に追いつき試合は延長へ突入しました。

3-3の延長十回1死三塁。1点も許されない場面でオリックスベンチは、西川遥輝と近藤健介を申告敬遠で歩かせ、満塁策を選択したのでした。

「あるとは思っていたけれど、目の前で見たら、ナメてるのかなと思って、すごく気合が入りました」と中田のスイッチが入りました。カウント2ー2から岩本投手の投じた147キロ直球を捉え、左中間スタンドへ豪快に放り込みました。

開幕戦でのサヨナラ満塁弾は史上3人目ですが、延長では初。栗山英樹監督は「見た目以上に真面目なところがあるので、いいスタートを切らせてあげたかった」と目を細めました。

2012年の就任直後から、中田を不動の4番打者として育ててきました。「三冠王になれる」とハッパを掛け、誰よりも能力を高く評価しました。この年はオープン戦で4番を外すこともありましたが、1年を占う開幕戦で定位置に据えたのです。

信じ続けた指揮官と、それに応えたまな弟子。ダイヤモンドを一周した中田は、ベンチ前で栗山監督と熱い抱擁を交わし、喜びを分かち合った姿は印象的でした。

監督最後の試合で14年連続50試合登板

試合後のセレモニーで言葉を交わす2人 【(C)H.N.F.】
(2021年10月26日 vs. 埼玉西武ライオンズ@札幌ドーム)

 2021年限りで退任した栗山英樹監督のホーム最終戦。先発を託された〝同期入団〟のエース上沢直之投手は、8回2死まで無失点と好投しました。指揮官自らマウンドに向かって交代を告げ、グータッチを交わします。

そして、札幌ドームに宮西尚生投手の名前がコールされました。歌手・さだまさしの「道化師のソネット」が響く中、鉄腕サウスポーは指揮官が待つマウンドへ…。
「長い間、投げてくれてありがとう」とボールを渡されると、込み上げてくる感情を抑えきれませんでした。岸を3球で投ゴロに打ち取り、入団14年連続の50試合登板を達成した瞬間です。

「まさか、涙が来ると思わなかった。いまの自分があるのは監督のおかげ」
と目頭を熱くしました。宮西選手の粋な演出もありました。
栗山監督のマウンドでボールを渡したいという思いを伝え聞き、「逆ドッキリでいこうかな」と計画。指揮官と親交があるさだまさしの曲を2、3日聞き続け、登場曲を「監督にリンクする」とチョイスした曲に変えました。

試合は0-0の九回に松本剛選手が押し出し四球を選び、サヨナラ勝ち。栗山監督の退任セレモニーが行われ、大谷翔平ら愛弟子からのサプライズのビデオメッセージが流れました。

最後はベンチ前で選手やコーチ、スタッフに声を掛け、一人一人と握手を交わしました。多くの思い出が詰まった札幌ドームでのラスト采配は、涙、涙で幕を閉じたのです。

(参考:Sports navi)

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