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石狩川の堤防でヒツジを飼うことになった訳は、実は大きな経済的効果があったのです。
石狩川堤防で放牧3年 目指すは「ヒツジの王国」
石狩川ひつじまつりで子どもたちと一緒に笑顔でヒツジを見つめる
石狩ひつじ牧場の山本代表

石狩川ひつじまつりで子どもたちと一緒に笑顔でヒツジを見つめる山本代表
「みんなここで放牧しているヒツジです。石狩をヒツジ王国にしたい。そのためには皆さんの協力が必要なんです」。
ひつじまつりは、堤防にヒツジが放牧されていることを知ってもらうのが狙いで開催されました。


石狩川ひつじまつりで毛刈りの実演前、来場者に石狩川堤防での放牧につい て説明する山本代表
突然、「ヒツジを放牧しませんか」

石狩川堤防で行われた石狩川ひつじまつり。奥に見えるのが石狩川
札幌開建は、大雨などの際に堤防が崩れないように、適度に根を張るイネ科の草を植
えています。伸び過ぎると土壌のひび割れや陥没が発見しづらくなるため、業者に委託し
て刈る必要があるのです。開建は石狩川など大小八つの河川を管理しており、堤防関連の
除草費用は年間約2億3千万円に上ります。
ヒツジを放牧して草を食べさせることで、除草コストの削減を図ります。草刈り機など
を使わないため、環境にも配慮した取り組みです。牧場側にとってもヒツジの餌代が必要
なくなり、ウィンウィン(相互利益)の関係ができあがります。
山本さんが開建の提案に賛同し、2021年に放牧の実証実験が始まりました。
放牧地の拡大目指す
「最初のころは井戸掘りも失敗だらけだったけど、今は方法を確立できた。やればできるもんだね」
と笑顔を見せていました。

石狩川堤防の新たな放牧地用の井戸を掘る石狩ひつじ牧場代表の山本さん
生産コストは10分の1
堤防には除草剤や化学肥料を使っていないため、半年間放牧したヒツジの肉は日本農林
規格(JAS)の有機認証を取得できる可能性があるということです。
「おいしくて、安くて、安全な肉が食べられるようになったら最高でしょ」
「臭みがなく、かめばかむほどうまみが広がる」
と放牧プロジェクトの進展に期待を寄せています。

石狩川ひつじまつりで、山本さんとヒツジを眺める子供たち
山本さんは、堤防での放牧により、ヒツジの生産に参入しやすくなることも期待して
います。山本さんによると、電気柵など放牧に必要な設備投資は1ヘクタール当たり約
90万円で、いったん設置すれば10年程度使えるといいます。酪農や畜産の新規就農
には億単位の費用がかかることも珍しくない中、少ない初期投資で済むのは大きな利点
となっています。
堤防の放牧は手間がかからないとはいえ、従業員8人の牧場だけで、規模を拡大して
いくには限界があります。そこで牧場は12月から、会社員や学生でも気軽に堤防の放
牧事業に参加できる「オーナー制度」を始める予定です。
条件は来年、1回1時間の放牧地の見回り業務を、春から秋にかけて半年間の放牧期
間中に2回以上すること。1口1万円で、放牧終了後に約1・2キロの羊肉が受け取れ
ます。

石狩川堤防の放牧地でヒツジと触れ合う石狩ひつじ牧場の山本代表
山本さんは
「一般的な酪農や畜産を兼業でやるのは難しいけど、放牧ならできる。この協働の考えが広がれば、人手の確保はぐっと楽になるはず」
と期待を寄せています。
(参考:北海道新聞デジタル発)
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