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北海高校が3年ぶりに優勝し、来年春の選抜出場を確実にしました。さらに後半は別海高校の活躍の裏話です。
第76回秋季全道高校野球大会は26日、札幌ドームで決勝を行い、北海(札幌支部)が東海大札幌高(札幌支部)を延長戦の末に8―4で下し、3年ぶり13度目の優勝を果たしました。北海は春、夏に続く全道大会の3季連続優勝。
北海は来春の選抜大会(甲子園)の出場をほぼ確実にしました。選抜大会は来年3月18日に開幕。出場校は1月26日に決まります。
別海高野球部初の全道4強 島影監督、前任校解任の悔しさ胸に熱血指導
札幌ドームで行われた第76回秋季全道高校野球大会で25日、選手16人の別海高(釧根支部)が創部46年目で初の準決勝に挑みました。
昨年準優勝の北海に1―6で敗れはしましたが、強豪を相手に終盤まで競り合いを演じた力はあります。チームを率いるのは就任8年目、外部指導者の島影隆啓監督(41)。かつて武修館高(釧路市)の監督を退任後、一度は失った野球への熱意を取り戻し、少人数でも全道で戦えるチームをつくり上げました。
今大会は選手が登録できる20人に満たない中、1回戦、準々決勝をいずれも1点差で勝ち上がりました。初の4強入りに、町民や知人から多くのメッセージを受けました。「やっとここまできたね」「耐えてよかったな」
一度は高校野球を諦めた同監督です。20代半ばから10年近く、主に監督として母校の武修館を指導しました。春夏を通じて甲子園には出場できませんでしたが、春の選抜甲子園で戦力以外の特色を加味する「21世紀枠」での出場候補校に2度選ばれました。
しかし13年の秋、学校側から解任を伝えられました。「正直、不本意だった」。選手の父母らが署名活動をしてくれましたが決定は覆りませんでした。「もういいや。家業を継ごう」。14年春、生まれ育った根室管内別海町に戻り、実家のコンビニエンスストアで働き始めました。
その年の夏でした。武修館が北北海道大会で優勝し、甲子園初出場を決めたのです。翌朝、コンビニで新聞を並べると教え子たちの快挙が目に飛び込んできました。「うれしいけど、悔しさが大きかった」。涙がこぼれました。
地元で少年野球チームを指導するうち、ある思いがわき上がりました。「もう一度挑戦したい。強いチームをつくり、武修館を倒したい」。16年、誘われ続けていた別海高の監督になりました。
1年目、2、3年生は4人でした。練習するビニールハウスは草だらけ。父母の協力を経て整備し、夜間練習を取り入れました。近年は町の援助で宿舎ができ、遠方の選手も入部するように。強豪校との練習試合を重ねて力をつけ、昨年春、支部予選の準決勝で武修館を3―2で初めて下しました。
気の抜けたプレーは厳しく指摘する。4番の立蔵諄介選手(1年)は「叱る時は叱り、褒める時は褒めてくれる」と信頼を寄せています。人口1万4千人の小さなマチの公立校が好成績を残したことで、来春の選抜甲子園に21世紀枠候補校に選ばれる可能性も出ました。
島影監督は「普段の行動も大切。選んでもらえるようなチームを一からつくりあげたい」と語っています。
北海高校とダブル選抜出場になるといいですね。
(参考:北海道新聞デジタル版)
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