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かれんにひそやかに
絶滅危惧種のレブンアツモリソウ
道北・稚内からフェリーで約時間で、花の浮島、礼文島に着きます。桃岩に代表される自然は野生の花が多く、そのため花の浮島とも呼ばれています。
礼文を代表する花で、全国的にも人気の高いのは、何といっても「レブンアツモリソウ」です。今、そのかれんなレブンアツモリソウが見ごろです。
袋状の唇弁を持つ花の姿を、平家物語などに描かれた平敦盛が背負った母衣(ほろ:後方からの矢を防ぐ武具)に見立ててつけらた名前です。
この花の特徴は、花色が紫ではなく、黄色であることでです。珍しさによる盗掘と、島で起こった火災のために、一時は絶滅の危機にありました。今は町の高山植物培養センターで培養研究がされており、数も回復してきています。
しかし、環境省のレッドデータブックにも、2000年に載せられていて、今でも希少種であることは間違いありません。
この花の面白いところは、蜜を分泌しない上、にも関わらず、昆虫の食物となるような形で大量に作られるわけではないらしいのです。
ではどうやって受粉するかと言うと、高度な騙しのテクニックを持っているからです。
蜜や花粉が得られる花と思い込んだ昆虫が花に入り込むと、食虫植物のように、袋状の唇弁に足を滑らせて落ち込みます。しかし、これを食べる訳ではありません。
ここから脱出できる経路は簡単に見つかるようにできており、虫が花から出るときに背中に花粉が粘着する仕組みなのです。この虫が再び別の花に騙されて落ち込んで同じように脱出するときにメシベに花粉が付着して、受粉が成立するのです。面白い仕組みですね。
色とりどりの花
花が見られるのは、桃岩の他に「高山植物園」があります。
植物園から見渡す緑の草原、青い海、そして利尻富士が素晴らしかった。
約50種、2万本の高山植物が生育する園内では、色とりどりの花が短い夏を謳歌するように咲き競っている。本州では2000メートル級の高山でしか見られない植物が、礼文島では海抜0メートルの土地にも根づいているそうだ。(北海道新聞より)
コロナで来町する人も極めて少ないので、今は地元の人たちがゆっくりと花を楽しんでいるそうです。
町では引き続き来島の自粛をお願いしているので、「レブンアツモリソウ」に会えるのは来年以降となるようですね。
(礼文島から利尻富士を望む)
(参考:東洋経済オンライン、北海道STYLE、環境省HP、北海道新聞)
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