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なまらあちこち北海道|札幌市電、昔の車体色復活なるか?

北海道

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札幌市電の色なんて意識して見たことありますか? 見ている人は見ているんですね。特に撮り鉄と言われる人たちです。すごく細かい所まで特徴を捉え、分析するんですね。

札幌市電、昔の車体色復活なるか?

 みなさんは「札幌市電の色」と聞いてどんな色を思い浮かべますか? 「車体は全面広告でしょ」「新しいのは白と黒かな」などと返ってくるかもしれません。現在の札幌市電の標準色は「緑」、広告が入っていない電車は1993年春以降、札幌市交通局の「STマーク」制定とともに導入された公式カラーのこの色に順次塗り替えられました。地下鉄はマークのみですが、この時代にはまだ残っていた札幌市営バスの新しい車両も同じ色に塗られていました。
2021年秋の引退まで、昔の札幌市電色のままで走り続けていたM101号車=2021年10月

2021年秋の引退まで、昔の札幌市電色のままで走り続けていたM101号車

 上の写真の市電に見覚えがある方、多いのではないでしょうか。主にラッシュ時間帯に走っていたM101号車というこの電車、走る時間が限定され、同じサイズの車両がなかったためか車体広告が入りませんでした。さらに一昨年秋に廃車となるまで1993年以前の札幌市電標準色のツートンカラーのままだったため、鉄道ファンはもちろん、沿線住民からも人気が高い「特別な存在の電車」でした。
M101号車の引退を伝える2021年10月30日の北海道新聞朝刊札幌市内版

M101号車の引退を伝える2021年10月30日の北海道新聞朝刊札幌市内版

 M101号車の引退はさまざまな北海道内のメディアで取り上げられ話題となりましたが、車両そのものに加えて「深緑色とベージュの塗装を残す唯一の車両」が消えるという点でも大きな関心が寄せられました。この車体色は、1972年の冬季五輪開催に向けて札幌の街が大きく変わる前の市電全盛時代、世の中が高度成長期に入ったころに採用されました。まさに札幌市電を象徴するものでした。当時は中心部から円山公園、豊平、苗穂、新琴似などへ向かう路線もあり、成長を続ける札幌の「市民の足」のイメージは、この色の車両そのものだったのです。
引退が近づくM101号車を撮影する鉄道ファン=2021年10月

引退が近づくM101号車を撮影する鉄道ファン=2021年10月

鉄道ファンに限らず人気が高かったM101号車。子どもも電車の前でパチリ=2021年10月

鉄道ファンに限らず人気が高かったM101号車。子どもも電車の前でパチリ=2021年10月

 じつはM101号車の引退とともに絶えてしまった昔の札幌市電車体色を、営業車両として走っている電車に復活させようと奔走している方々がいます。路面電車の車体寿命はJRなどの一般的な鉄道車両よりも長い傾向があり、現在札幌市電で引退時期を迎えているのは昭和30年代半ばに製造された車両。「このうち本年度末で廃車となることが決まっている『還暦』を過ぎた1両を、前半生の車体色に戻して引退の花道を飾ってあげよう」というプロジェクトがあるのです。
札幌市電を往年の色に、というクラウドファンディングがはじまったことを伝える5月24日の北海道新聞朝刊札幌市内版。塗り替え予定の車両の前に立つ、写真右が和田さん、左が研究会代表の永山さん

札幌市電を往年の色に、というクラウドファンディングがはじまったことを伝える5月24日の
北海道新聞朝刊札幌市内版。
塗り替え予定の車両の前に立つ、写真右が和田さん、左が研究会代表の永山さん

 プロジェクトを立ち上げたのは札幌市に事務局を置く鉄道愛好家団体の「北海道鉄道観光資源研究会」(94人、永山茂代表)。プロジェクトをまとめるのはNHKの人気番組「ブラタモリ」で、札幌市電沿線の市街地をタモリさんに案内した“街歩き研究家”の和田哲(さとる)さん(51)です。生まれも育ちも市電沿線、初めて覚えた漢字は車体の「入口」と「出口」だったという和田さん。「M101号車の引退で札幌を象徴する市電車体色の歴史が終わってしまうのはあまりにも惜しい。せめて旧塗装で過ごしたことがある車両を塗り戻し、60年以上にわたって札幌の街を支えてくれたことへの、感謝の気持ちを込めて見送りたい」との思いから、市電の運行を管理する札幌市交通事業振興公社と1年以上にわたり話し合いと調整を重ね、インターネット上で募金を集めるクラウドファンディングを5月11日に始めました。
和田さんたちが立ち上げたクラウドファンディングを呼びかけるチラシの一部。塗り替え後のイメージイラストが目を引く

和田さんたちが立ち上げたクラウドファンディングを呼びかけるチラシの一部。
塗り替え後のイメージイラストが目を引く

 ただ、塗り替え費用だけではなく広告車両に相当する車体使用料なども調達する必要があり、クラウドファンディングの目標金額は550万円と高額です。6月末までのクラウドファンディング実施期間の半分の期間を過ぎても資金調達率は5割を割るなど、若干苦戦気味のようです。この記事を読んで和田さんたちの活動に興味を持った方はこちらへ。
 寄付は3千円からクレジットカードや銀行振り込みで行い、目標金額に達しなかった場合は返金されます。問い合わせなどは、和田さんの携帯電話090・9826・3638まで。

(参考:北海道新聞Dセレクト)

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