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雨天ノーゲームや日没コールドゲームなど、9回まで戦わないで終了、ということがあります。これは勝っていたチーム、負けていたチーム、それぞれに悔いを残す結果です。
これを改善すべく、高校野球は今シーズンから、タイブレークと継続試合を実施することになりました。
さあ、高校野球はどう変わるでしょうか。
延長十回タイブレーク、継続試合…「変わる」高校野球 北海道の現場は
高校野球のルールが次々と変わっています。日本高校野球連盟の決定を受け、北海道でも今春の大会から「延長十回からのタイブレーク」や「継続試合」、「女子部員の練習補助」を道高野連が導入。支部予選や全道大会で実際に行われました。マスクなしの声出し応援も解禁された札幌円山球場を中心に、監督や選手の声を聞きました。現場はどう戦い、どう受け止めたのでしょう(運動部デジタル委員 平田康人、安沢悠太、高津戸璃歩)

延長十回からのタイブレークとなった春の全道大会1回戦の北海―遠軽戦。
逆転サヨナラ3点本塁打を放った北海の熊谷陽輝選手(背番号3)をベンチ前
で迎える選手たち=5月25日、札幌円山球場(石川崇子撮影)
タイブレーク、劇的展開

タイブレークの延長十回、逆転サヨナラの3点本塁打を放った北海の熊谷陽輝選手
=5月25日、札幌円山球場(石川崇子撮影)
十回から「別の展開」

延長十回、タイブレークの末に敗れた遠軽の選手たち
=5月25日、札幌円山球場(石川崇子撮影)
「送りバント考えず」
■北海道勢、甲子園で初のタイブレーク
タイブレークで思い出されるのは、2018年の夏の甲子園大会です。実は、甲子園大会で初めて経験したのが旭川大学高(北北海道)でした。相手は佐久長聖(長野)。延長十二回でも決着がつかず、春夏の甲子園で初のタイブレークに突入。十四回、4―5で惜敗しました。

2018年夏の甲子園大会初戦・佐久長聖(長野)戦で、延長十四回
タイブレークの末に敗れた旭川大学高の選手たち=8月6日(小松巧撮影)
特に1点を追う十四回は打順の巡りが良く、後にプロ野球・広島に入団した4番の持丸泰輝選手が無死一、二塁からの左打席に入りました。サインは送りバントでしたが、初球を三塁側へファウル。2球目はボール。カウント1―1からの3球目、たたきつけた打球は三ゴロに。三塁手が三塁を踏んで二塁走者を封殺し、1死一、二塁となりました。後続も併殺打に倒れ、試合は終わりました。

2018年夏の甲子園大会初戦、延長十四回タイブレークの末に敗れ、
ベンチ前で甲子園の土を集める旭川大学高の選手たち=8月6日(小松巧撮影)
バントかヒッティングか
継続試合導入、無念のノーゲーム解消
継続試合は、天候不良などで試合が中断した場合、翌日以降、中断された時点から続きを行うものです。これにより、試合が成立する七回終了前に降雨などを理由に打ち切る「コールドゲーム」や無効試合となる「ノーゲーム」がなくなります。再試合に伴う選手負担の軽減などを目的に2022年に日本高野連が導入を決め、昨年夏は35の地方大会で導入されました。

ノーゲームとなり、一礼する駒大苫小牧の選手たち
=2003年8月8日、阪神甲子園球場(浜本道夫撮影)

降雨で中断となり、ベンチでグラウンドを見つめる帯広農の選手たち
=2021年8月12日、阪神甲子園球場(松本奈央撮影)
道高野連は今春から継続試合を導入。旭川支部予選の旭川商―旭川西戦が降雨による
悪天候のため六回途中で中断し、道内初の「継続試合」となりました
(試合は旭川西が7―0で七回コールド勝ち)。
全道大会では行われませんでしたが、4強に進出した立命館慶祥の横山蔵人監督に聞くと、受け止めは好意的でした。理由を聞くと、「苦い経験がありますから」。振り返ったのは2020年夏の独自大会の一戦でした。
■日没コールドも別の結果に

八回日没コールドゲームで敗戦し、頭を抱え、涙に暮れる立命館慶祥の選手たち
=2020年8月6日、札幌円山球場(小川正成撮影)
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