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なまらあちこち北海道|シカ撃退の新装置・札幌市

北海道

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シカの農産物への被害が年々増えています。市街地では猟師さんの発砲も難しいということもあります。
そこで、シカを傷つけることなく撃退しようと産学共同で開発した物が今日の内容です。

音・超音波・光でシカ撃退 三菱電機道支社の新装置 特殊スピーカー備え「慣れ」防止

四角いスピーカーから忌避音を出すシカの追い払い装置
四角いスピーカーから忌避音を出す装置

札幌市

 野生動物による農業被害を防ごうと、三菱電機北海道支社(札幌)が音と超音波、光を合わせて、シカを追い払う装置の開発に乗り出しました。野生鳥獣の追い払い装置は、動物が慣れると効かなくなることが長年の課題となっています。「慣れ」をなくすため、音の出方が特殊なスピーカーを使い、9月からは豊平区の北海道農業研究センター(北農研)の圃(ほ)場近くで動作を確認しています。来年度から実証実験に取り組む予定です。

 「ピャッ」。札幌ドームの向かいに位置する北農研の圃場そばで8日午前、三菱電機北海道支社の社員が装置の位置や、シカが仲間に危険を伝える時に発する鳴き声の出方などを確認しました。圃場は市街地に近いものの、南区の山から森林が連なり、シカが入り込むということです。

 装置は、音の出方や強さが方向によって変わり、遠くまで届く仕組みになっていて、音は木など物に当たって反射し、聞き手の立ち位置によって聞こえ方は変わります。同じ位置から同じ音が出続けると動物が短期間で学習する恐れがあります。開発中のスピーカーの音は、シカが現れる場所によって聞こえ方が異なるため慣れにくい効果を見込んでいます。

 赤外線センサーでシカを感知すると、音と超音波、光を発します。音は20種類以上あり、ライフル銃の発砲音や草を踏む足音などを使い分けています。監視カメラで周辺の映像を24時間記録し、反応や効果を検証します。

 北農研によると、敷地内では2010年からシカの生息数を夜間にライトで照らして調査しています。10年当初に20頭前後でしたが、徐々に増え、今年は130頭前後が確認されています。装置設置後、早速シカが近くに現れているということでした。今後は音に対する反応を分析し、効果的な音のパターンを探ったり、センサーが木の揺れなどに反応しないよう動作するまでの時間を調整したりする計画です。

 来年度から3年間、農作物被害対策に取り組む宮崎県延岡市で実証実験を行う予定となっています。同社北海道支社事業推進部は「地域課題の解消のため、事業化を目指したい」と話しています。

 装置の開発に協力しているNPO法人ファーミングサポート北海道(岩見沢)の宮本圭一代表代行は「電気柵も動物が慣れるとだんだん効かなくなる。今回の装置を効果的な場所に配置し、人間と野生動物の住み分けにつながれば」と期待しています。
何とかシカと人間が共存できる道が見つかるといいですね。

 

(参考:北海道新聞ニュース虫めがね)

 

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