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なまらあちこち北海道|エスコンフィールドに響け「しゃんしゃん」の音

スポーツ

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今シーズン、好調な出だしのファイターズです。その裏にはこのような新しい応援グッズがあることも助けているのではないでしょうか?

エスコンフィールド北海道に響く「しゃんしゃん」の音 新たな応援グッズは特許出願中

 プロ野球北海道日本ハムの本拠地ゲームの応援で新しいグッズが使われている。4月27日、北広島市のエスコンフィールド北海道でのオリックス・バファローズ戦でも、一回に五十幡、万波、マルティネス、郡司の4人が本塁に還り、大型ビジョンに「HOME IN」の文字が映し出された場面でも、エスコン内には「しゃんしゃん」と涼しげな音が響き渡った。観客席には、青色の鈴のようなものを片手に左右に鳴らすファン。「これは何だろう」と不思議に思った人もいるのでは。新グッズ「ファイターズカウベル」だ。(運動部 高津戸璃歩)
ヒーローインタビューで新グッズの「ファイターズカウベル」を鳴らすマルティネス=4月5日、井上浩明撮影

ヒーローインタビューで新グッズの「ファイターズカウベル」を鳴らすマルティネス

■新しい球場の演出に

 カウベルはもともと、牛の首に付ける鐘。音で牛の居場所を知らせるための道具で、ファイターズスポーツ&エンターテイメント(FSE)が野球応援用にデザインした。長さ8センチ、幅6センチ。青いファイターズカラーに白い牛柄で、振ると中の振り子が鐘をたたいて「しゃんしゃん」と音が鳴る。
 4月5日の西武戦では、観客2万5千人にカウベルを無料配布した。この日、延長十二回でサヨナラの犠飛を放ったマルティネスは、カウベルを手にヒーローインタビュー。インタビュアーに「音は聞こえたか」と質問されると、「聞こえていたからこそ勝てたので、もっと鳴らしてください」と答えた。喜んだファンが一斉にカウベルを鳴らして、エスコンが大きな音に包まれた。
 それからも試合のさまざまな場面で、カウベルが登場している。試合開始前の選手紹介では、公式チアダンスチームのファイターズガールがカウベルを鳴らして彩る。
 また、イニング間に行われる演出でも「ファイターズCAM」が生まれた。カウベルを持っている人が、大型ビジョンに映し出されたQRコードを携帯電話などで読み取ると、読み取った人の姿がビジョンに映し出され、カウベルを鳴らしてアピールできるのだ。
試合開始前にカウベルを鳴らす演出を行うファイターズガール=4月7日、井上浩明撮影

試合開始前にカウベルを鳴らす演出を行うファイターズガール

 これまでに発売された応援グッズも、球場の演出に合わせて親しまれている。札幌ドームでの本拠地ラストシーズンだった2022年に発売されたサケのキャラクター「しゃけまる」は、曲に合わせてしゃけまるのぬいぐるみを上下に動かす演出で楽しまれた。
  また、エスコン開業1年目に生まれたタンバリン型のグッズ「成吉思汗(ジンギスカン)バリン」は、ファイターズガールの「ジンギスカンダンス」に合わせ、ファンがたたいて楽しめる。

なぜ野球観戦にカウベル?

 不思議に思ったのが、グッズが生まれた経緯だ。中学、高校と吹奏楽部だった記者にとってカウベルのイメージは、ラテン音楽で使用する楽器だ。野球との組み合わせは異色にも思えた。どのように、このグッズが生まれたのだろうか―。
 グッズ開発を担当するFSEグループ長の松橋和彦さん(38)によると、エスコンのこれまでの定番の応援方法は、声出しや拍手、歌、応援スティックをたたくといった、周りと音やリズムに合わせて応援するものが多い。カウベルは「興奮した時に指笛を吹くように、感情があふれ出した時に自由に表現できるものはないか」という発想から生まれたという。あわせて、米大リーグ・レイズの試合で選手が本塁打を放つと、ファンが一斉にカウベルを鳴らす様子が松橋さんの印象に深く残っており、参考にしたという。
 松橋さんは、カウベルは基本的に「自由に鳴らしてもらえれば」と勧めている。現在は大型ビジョンでカウベルを鳴らすタイミングを誘導しているが、選手が安打を放ったときに大声を出してしまうように、感情が高まったらカウベルを鳴らし、「一体感が自然に広がっていくといいなと思います」と話す。

内側の留め具にこだわり

 グッズ開発で大切にしているのは「北海道らしさ」だ。「しゃけまる」がサケ、「成吉思汗バリン」が名物料理のジンギスカンにちなんだように、カウベルは、酪農王国・北海道を象徴している。乳用牛の飼育頭数が日本一であることにちなむ。
カウベルを両手に持つFSEの松橋和彦さん=4月4日、高津戸璃歩撮影

カウベルを両手に持つFSEの松橋和彦さん

 こだわりは、カウベルを鳴らす振り子の留め具だ。牛の居場所を知らせるために屋外で響く音を鳴らす必要があるカウベルとは違って、球場まで持参する際には音がならないように、消音機能を付ける必要があった。そこで鐘の内側に振り子を留めて動かないようにした。振り子を留めやすい硬さにするなど、目立たないパーツだが工夫がされている。カウベルの内側の留め具は、特許出願中だと言う。
 カウベルを鳴らす光景が、エスコンの風物詩になるかもしれない。ファイターズカウベルは1200円で、エスコン1階のお土産屋「ファイターズフラッグシップストア」、公式オンラインサイトなどで発売されている。牛型のカウベルも新たに発売する予定だ。
(参考:北海道新聞Fノート)

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