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なまらあちこち北海道|劇団四季「リトルマーメイド」3年ぶり開幕

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劇団四季の「リトルマーメイド」が3年ぶりに札幌に戻ってきました。コロナの影響で公演を中止せざるを得なかった3年前。関係者はこの公演に大いに期待しています。

「リトルマーメイド」28日開幕 3年ぶり公演へ稽古・舞台準備に熱

 本作は2020年、コロナ禍のため当初予定の千秋楽前に公演中止となった作品。今回は同劇団が今年設立70周年を迎えることを記念した特別アンコール公演でもあり、撤退した専用劇場で再び公演するのは同劇団にとって異例のことです。
 前回公演の分まで感動を届けたいと、出演者、スタッフ総出で入念な準備が進められています。
横浜市の四季芸術センターで行われている「リトルマーメイド」の見せ場のひとつ「アンダー・ザ・シー」の稽古=すべて金田翔撮影

「リトルマーメイド」の見せ場のひとつ「アンダー・ザ・シー」の稽古

 劇団四季 1953年に演出家の浅利慶太を中心に設立。
俳優、技術スタッフ、経営スタッフ約1400人の、世界的にも最大規模の演劇集団。
東京など国内に7館の専用劇場を持ち、ストレートプレイ(芝居)、オリジナルや海外の
ミュージカル、ファミリーミュージカルなど幅広い作品を上演。例年の総公演回数は
3000回以上、総観客数は300万人超。

 「千秋楽前の中止は苦渋の決断。それから北海道の人に申し訳ないという気持ちが消えることはなかった」。アンコール公演に向けた思いを語るのは、同劇団の運営会社四季の吉田智誉樹(ちよき)社長です。
 旧北海道四季劇場は2011年の開場以来10作品を上演し、181万人を動員。北海道にミュージカル文化を根付かせる中心的な役割を担ってきました。本作は北海道四季劇場としての最後を飾る作品でしたが、コロナ禍の影響で2020年3月15日の千秋楽を迎えられず、公演日程の途中の2月26日で幕切れとなりました。
 突然の公演中止に、「観劇を心待ちにしていたので残念」「劇場にお別れがしたかった」など嘆くファンは多く、劇団四季には劇場閉館後も再演を望む声が続々と届いていたそうです。
 札幌での勤務経験もあり、北海道の人たちの熱い応援が忘れられなかった吉田社長は「劇団四季の作品を愛してくれた北海道の人たちとの関係を考えるとこのままではいけない」と対応を模索。同劇場は閉館後、札幌市に無償譲渡していましたが、劇団四季は昨年5月、半年にわたるロングラン公演を実施することを発表しました。
 「リトルマーメイド」はディズニーのアニメーションを舞台化したミュージカルです。地上の世界に憧れる人魚姫アリエルが、人間の王子エリックに恋をし、未知の世界に進んでいく姿を描きます。
 米アカデミー作曲賞受賞のアラン・メンケンの名曲の数々や、フライング(宙づり)技術を駆使した人魚のしなやかな動き、色鮮やかな海の世界など見どころがいっぱい。さらに登場人物のきめ細やかな感情描写や前向きな気持ちになれる物語展開で、性別年齢を問わず人気が高い演目です。
 札幌のアンコール公演のチケット発売初日の2月25日は、劇団側の予想を超える申し込み
があったといいます。
四季芸術センターの稽古場で入念に動きを確認する出演者たち

四季芸術センターの稽古場で入念に動きを確認する出演者たち

 「今度は音に合わせてもう一度」。4月下旬の横浜市あざみ野の「四季芸術センター」では、すでに「リトルマーメイド」札幌公演に向けた稽古が始まっていました。本作を含め劇団四季の作品づくりの拠点が同センターです。
 1983年に設立され、2006年に増設。約2万平方メートル超の敷地に大小10以上の稽古場や、衣装や小道具、かつらの工房、トレーニングジム、ライブラリーなどを備えています。札幌公演もここで準備が進められた後、東1丁目劇場施設での最終稽古を経て、本番を迎えることになります。
 同センター内の300平方メートルの稽古場では出演者ら約30人が、演出部担当者の指示のもと、見せ場のひとつ「アンダー・ザ・シー」の場面の動線や振り付けを確認していきます。
 魚のパペット(人形)や小道具を持って出演者が交錯する場面が多いため、少しでもタイミングがずれれば衝突などの事故が起きかねません。出演者は何度も同じ場面を繰り返し、体に動きをたたき込んでいきます。
本番と同じようにクラゲや魚などのパペットを使って動線を確認

本番と同じようにクラゲや魚などのパペットを使って動線を確認

 俳優の稽古が本格化するのに合わせ、小道具や大道具、衣装、かつらを扱う床山ら裏方の準備も急ピッチで進んでいます。物語の舞台となる幻想的で美しい海の中の世界が魅力の本作。海中の世界を鮮やかな色と迫力ある動きで印象的なものにしているのが40種類もの魚のパペットです。札幌公演ではこれらを小道具担当の4人が準備しています。
小道具担当によるパペットの補修作業

小道具担当によるパペットの補修作業

札幌公演に特別な思いを抱き続けてきた早川さん

札幌公演に特別な思いを抱き続けてきた早川さん

 小道具担当の早川志織さんに注目のパペットと小道具を紹介してもらいました。
「札幌公演で初お目見えのパペットは、トロピカルフィッシュとエビなど。トロピカルフィッシュは緑と青の色合いがひときわ目立つ存在です。シルクのひれをなびかせて泳ぐ姿は優雅そのものですが、軽量化しているとはいえ、重さは3キロ。これを自在に操り、舞台をかけめぐる俳優の技術にも注目です」
札幌公演で初めて登場するトロピカルフィッシュ

札幌公演で初めて登場するトロピカルフィッシュ

 「エビは黄色と紫の組み合わせが舞台映えします。全長1メートル70センチの体の中心にはゴムベルトが通っていて、体をくねらせた柔らかな動きが特徴です。カニのセバスチャンと組んだユーモラスな踊りで会場を沸かせるはず。全身に透明のスパンコールが無数に貼られ、照明に当たってきらきら輝きます」
同じく初登場のエビ。柔らかな動きを生かし印象的な場面で登場

同じく初登場のエビ。柔らかな動きを生かし印象的な場面で登場

 「小道具では、海の魔女アースラの扇子に注目です。オランダ版では同じ場面ではたばこを吸うきせるを小道具として使っていました。劇団四季版ではより優雅さを強調する小道具として扇子を採用。衣装に合わせ紫の羽に黒いレースをあしらい、存在感抜群です。扇子の骨の部分が魚の骨の形になっているなど細部までこだわっているのも特徴です」
アースラの扇子。魚の骨がデザインされるなど細部にもこだわりがある

アースラの扇子。魚の骨がデザインされるなど細部にもこだわりがある

「サックスやフルートなど海の中で奏でられる楽器も劇団四季オリジナルのデザイン。海の世界観を表現しています」
ヒトデや海藻をあしらったサックス

ヒトデや海藻をあしらったサックス

巻き貝をイメージしたフルート。繊細な色合いが美しい

巻き貝をイメージしたフルート。繊細な色合いが美しい

楽しい舞台にチケットの入手も難しくなりそうです。

(参考:北海道新聞デジタル発)

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