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なまらあちこち北海道|話題になっている、日頃のトホホを31文字での歌人芸人

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芸人さんの中にはいろんな特技を持った人がたくさんいます。家電に詳しい、料理が上手、片付けや掃除のプロ・・・。

今回は「短歌」を読み、本を出版した芸人さん「スキンヘッドカメラ」の岡本雄矢さんの紹介です。

「今後は大好きな競馬やお笑い業界も短歌で取り上げたい」と話す岡本さん
「今後は大好きな競馬やお笑い業界も短歌で取り上げたい」と話す岡本さん
  • 日常のトホホを31文字でクスッと お笑いコンビ「スキンヘッドカメラ」岡本雄矢さん、「歌人芸人」初の著書岡本雄矢著「全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割」(幻冬舎、1650円)

道内を拠点に活動するお笑いコンビ「スキンヘッドカメラ」の岡本雄矢さん(38)の短歌とエッセーを織り交ぜた初の著書「全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割」が幻冬舎から刊行されました。

10年前から独学で短歌に取り組み、日本唯一の「歌人芸人」を名乗る岡本さん。日常の小さな不幸を笑いに変える独自の切り口が話題を集めています。

岡本さんは札幌市出身。中学時代からお笑い芸人を志し、オーディションを経て札幌東豊高在学中から札幌よしもとに所属し、2014年から「スキンヘッドカメラ」を結成。今年で芸歴20年のキャリアを持っています。

学生時代に俵万智さんの「サラダ記念日」を読み「こんなに少ない字数で表現できる世界があるのか」と短歌に興味を持ったという岡本さん。10年前から定期的に短歌をSNSで発表し始めたそうです。

本格的に取り組むきっかけになったのは、3年前に札幌在住の歌人、山田航さんと市内のバーで偶然出会ったことでした。

お笑いが好きな山田さんとは、初対面で意気投合したそうです。山田さんから「SNSの岡本さんの短歌を読んでいる」と言われ、感想を聞くと「下手だね」と一刀両断だったと笑います。

しかし、その日以降、山田さんは岡本さんの短歌の“師匠”に。岡本さんが1カ月に50首をつくり山田さんに郵送すると、それを読んだ山田さんが市内のカフェで講評し指南する特訓が続きました。

「山田さんのおかげで、言葉を選択する感覚が敏感になった」と感謝する岡本さん。昨年の吉本興業の作家育成プロジェクトで短歌の才能が着目され、幻冬舎のウェブ連載を持つことになりました。その際、短歌のテーマはお笑いのネタで得意にしてきた、日常の自身の小さな不幸にしようと決めたそうです。

今年4月、ウェブ連載をもとにした「全員が―」を刊行。103首の短歌と、それにまつわるエッセー78本を収録しています。不幸を扱うが、最後に思わず笑ってしまう構成は「お笑い」の経験を反映しています。

「なんの特技もない僕だけど、笑ってもらうことだけは得意。短歌で描いた僕の不幸が、読み手の笑顔につながればうれしい」と考えたのだと語っています。

本書は短歌になじみのない人でも読みやすいと、多くのメディアで取り上げられました。岡本さんも「反響の大きさに驚いています。出版を機にあこがれの歌人と交流できたことも良い経験です」と話しています。

短歌の魅力は「文字数が限られるからこそ、想像力がかきたてられるところ」という岡本さん。今後も「お笑い」と「短歌」、両方に力を入れたいと張り切っています。

シンプルに笑える師匠・山田航さん

岡本雄矢さんの短歌の魅力はシンプルに笑えること。これは得難い資質だと思います。3年前から岡本さんの短歌づくりにかかわってきましたが、とても熱心で短歌への愛情を感じます。歌の技術も相当上がりました。もっとも最初が低すぎたのですが…。

著書は短歌の出来とエッセーの出来が大体比例していて、短歌が良いほどエッセーも面白いことが多いのですが、たまに例外があるのが興味深いです。お笑い芸人さんは言葉への感覚が鋭敏なので、短歌との相性はいいと感じます。ただ、岡本さんの短歌におけるユーモア感覚はバリエーションに乏しいと感じることが多かったので、「面白さ」の感覚を拡張してくれたらいいなと思っています。

山田さんの注目作品

 ぶつかってきた運転手と二人きりパトカーを待つ同じ方見て

 良いリアリズムに肉薄しています。(山田さんコメント)

札幌で来月ライブ

岡本さんは8月23日、札幌市の映画館「サツゲキ」(中央区南2西5)で開催される「札幌よしもとお笑いライブ~タチぽん~」に出演します。午後6時30分開演。前売り千円、当日1500円。チケットはよしもとの公式チケットサイトhttps://yoshimoto.funity.jp/などで購入できます。

(参考:北海道新聞電子版)

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