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なまらあちこち北海道|前略新庄監督様、エールを送らせていただきます。

スポーツ

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 前略、北海道日本ハムファイターズ新庄剛志監督殿監督が幼少期に野球を楽しんだ福岡市南区の野間大池公園で毎朝、愛犬の散歩にいそしんでいるOTTO!編集長です。公園内のグラウンドでは今も、長丘ファイターズの後輩たちが懸命に白球を追いかけています。先日、地方新聞社のスポーツ担当責任者が情報交換をする会議が日ハムの本拠地、エスコンフィールド北海道の会議室で開かれ、野球人の夢と理想を形にした新球場の魅力に触れました。日ハムは同日、交流戦で広島と対戦。遠巻きながらベンチで采配を振るう新庄監督に向け、ひそかエールを送らせていただきました。

これぞ「世界がまだ見ぬボールパーク」だ!

試合前、バックネット裏からフィールドを見渡し、米国の野球場にいるような錯覚を覚えた。鮮やかな緑の天然芝。ファールグラウンドが狭く、ダイヤモンドで躍動する選手たちが身近に感じられる。左翼約97メートル、右翼約99メートル。外野フェンスは左右非対称で、あえて一部いびつな形にしている遊び心も憎い。

天然芝のグラウンドは美しいだけでなく、アスリートファーストの理念を感じさせる。昨年までの本拠地、札幌ドームはJリーグのコンサドーレ札幌のホームを兼ねていた。サッカーの試合開催時は天然芝、野球の試合時は人工芝に切り替える。野球用の人工芝は、迅速に撤去できる巻き取り式のため他球場の人工芝より薄く、選手からは「足腰に負担が大きい」との声が絶えなかったという。

ホーム、ビジター両チームのブルペンは両翼の外野フェンス裏に設けられており、外野席から間近に見下ろせる。

にわかに、ある記憶がよみがえった。

2011年3月、米フロリダ州タンパ。ニューヨーク・ヤンキースが春キャンプを張る球場ジョージ・M・スタインブレナー・フィールドを訪れた。エスコンと同じように客席から間近に見下ろせるブルペンで、後に野球殿堂入りするヤンキースの名クローザー、マリアーノ・リベラ投手が投球練習をしていた。

リベラ投手のカットボールの球筋に目を奪われていると、チームの裏方のスタッフが筆者に声を掛てくれた。

ブルペンで投げ込むヤンキースの投手(リベラ投手ではありません)

 

「日本から来たのか? いま日本は地震で大変なんだろう? みんなに『グッドラック』と伝えてほしい」

当時は東日本大震災の発生直後。ブルペンで目の当たりにしたリベラ投手の鋭いカットボールの軌道と、スタッフの温かい人柄が記憶に刻み込まれた。それもこれもブルペンと客席の「間近さ」が生んだストーリーだ。エスコンのブルペンをのぞき込む子どもたちにも、胸ときめく思い出が紡がれていくことを願ってやまない。

今春オープンしたエスコンは、サウナや温泉、ホテルを併設し、子どもたちが歓声を挙げていたキッズエリアも楽しそう。コアな野球ファンだけでなく、その家族や友人も誘える施設を目指しているのだろう。

「世界がまだ見ぬボールパーク」

少子化が進む中で野球の競技人口の減少が懸念される中、重要な視点である。

今回の取材には、もう一つ重要なミッションがあった。球場内の醸造所で作られた世界初のクラフトビールの試飲である。

前略、新庄監督。エスコンF北海道は野球人の夢と理想を体現したボールパークですね。OTTO!編集長、クラフトビールにも酔いしれ観戦記
そらとしばオリジナルのクラフトビール。天然芝の緑、北海道の青空に琥珀色のビールが映える

世界初の球場内ビール醸造所に喉が鳴る

屋根を開け放った球場にまぶしい陽光が差し込む。6月8日、エスコンフィールド北海道がある北広島市は夏日を記録した。「ビールを飲むには最高の天気ですね」球場内で「そらとしば by よなよなエール」をオープンさせたヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)の酒井萌さん(27)が筆者の気持ちを代弁する。早速、そらとしばオリジナルの以下3銘柄を注文した。「そらとしば Play Ball! Ale」

「そらとしば Big-Fly Saison」

「そらとしばシーズナルビール」

案内された開放的なルーフトップ席はバックスクリーン脇に位置し、フィールドを一望できる。天然芝の緑と澄み切った北海道の青空のコントラストに、琥珀色のビールが映える。

喉が鳴る。3銘柄を一口ずつ喉の置くに流し込む。ぷはーっ。うまくないわけがない。

中でも筆者の好みは、最初に飲んだPlay Ball! Aleだった。

セッションIPAというタイプのビールで、軽快な飲み口とホップ由来のさわやかな香り、心地よい苦味が特徴だ。ホップの強烈な苦味と鮮烈な香りが特徴の同社のクラフトビール「インドの青鬼」を愛好していると酒井さんに告げると、「そうでしょうね。IPA系の苦味がお好きなんですね」との言葉が返ってきた。

レストランの敷地内にはビールを醸造する大きなタンクが並んでいる。酒井さんほか、醸造担当のブリューワー児玉ノンナさん(27)と須江弘明さん(40)は昨年12月、長野県から北海道に移り住み、オリジナルビールの開発を進めてきたという。

「北海道の空と天然芝のフィールドが見渡せるここでしか飲めないビールの味を目指しました。作り手としては、飲んでくださるお客さんの顔を見ながらビールを作れるのがいいですね」(児玉さん)。作り手の思いに触れると、クラフトビールの味わいの深い部分まで分かる気がしてくるというものだ。

 

前略、新庄監督。エスコンF北海道は野球人の夢と理想を体現したボールパークですね。OTTO!編集長、クラフトビールにも酔いしれ観戦記
新庄監督 肉乃劇場

本拠地移転へ男たちの群像、新庄監督の誕生秘話も

観戦前の腹ごしらえは、日本ハム直営の「tower eleven foodhall by Nipponham」で。チキンとポーク、ビーフのグリルに加え、シャウエッセン、モーニングサーブを豪華に盛り合わせた監督ご推薦の「新庄監督肉乃劇場」を注文し、肉パワーを充填した。foodhallにはホットドッグ専門店「HOTDOG FUN」も人気。ソーセージとパンは独自に開発し、野球発祥の米国スタイルの観戦に欠かせない味を提供している。「日本ではハンバーガーの陰に隠れがちなホットドッグ文化を、ここエスコンフィールド北海道からつくりたい」。同社スポーツ事業部の常法寺誠マネージャーは意気込む。取材を終え、福岡へ戻る機中で「アンビシャス 北海道にボールパークを創った男たち」(鈴木忠平著、文芸春秋)を読む。札幌からの本拠地移転を実現するため奔走した男たちの群像と、新庄監督の誕生秘話などを生き生きとした筆致で描かれている。

野球を愛する一人の読者として、新スタジアム建設に情熱を注いだ人々の思いに触れ、胸が熱くなった。数々の困難を乗り越えきたエピソードに触れると、「世界がまだ見ぬボールパーク」を目指した思いの強さに感服する。

この春、船出した西スポWEB OTTO!も「新しい野球観戦のスタンダードを提供する」という大きな旗印を掲げた。サイト内のコーナー「タカ番ウラトーク」がそのひとつ。ホークス担当記者が独自情報を試合中に次々発信するコーナーで、新しい試合観戦の楽しみを提案している。新庄監督に「これ面白い!」と言っていただくのが、ひそかな目標となっている。

(参考:西日本スポーツ新聞)

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アンビシャス オッカイドウにボールパークを創った男たち男たちう鈴木忠平著、文芸春秋はこちらから調べる

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