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常識を覆す不思議なスーパーができました。
異色スーパー 駄菓子から流行服まで
北欧ブランド「マリメッコ」のバッグなども並ぶスーパー菱光
売り場にはフランス高級ブランド「シャネル」の口紅やマニキュア、北欧ブランド「マリメッコ」のバッグと、おしゃれな商品が並ぶ。国内品のエプロンには2万円以上の値札が付いています。
少し離れた場所には1個10円の駄菓子や、特売の魚介類も。これらの商品が同じ700平方メートル弱の平屋店舗で買えるのはここだけではないでしょうか。
釧路駅北側の老舗スーパー「ショッパーズ菱光」。店のテーマ曲「毎日が宝探し」が繰り返し流れてい中、買い物客の1人が店内を見渡して驚いていました。
「なんでも売っているんですね」
10代から評判に
菱光は1984年に開店し、当初は激安スーパーを目指していましたが、20年ほど前に転機が訪れました。大手スーパーの出店が市内で加速し、菱光の商圏内にもディスカウント店が次々と現れたのです。
「安さだけでは勝負できない」。北村真奈美社長(59)は差別化のため、ほかでは扱わない商品を置くようになりました。
かわいいもの好きの北村社長は手始めに、当時流行していたゴシック・ロリータ(ゴスロリ)と呼ばれる黒を基調としたファッションの服を売り始め、10代の若者に評判になりました。
それ以降は社長の目利きで商品を次々と仕入れ、イブ・サンローランなど高級ブランド品も扱うように。「お客さんに『なにこれ』って思われるのが楽しい」と北村社長。気になった商品は問屋のほか、生産者を直接訪ねて仕入れているそうです。
築40年ほどの店舗に価格帯がまったく違う商品が並び、ネット上で「まるで闇市のよう」とのコメントもでています。北村社長は「ときめく商品を常に追い求めているんです」と笑い飛ばしました。
2年前に、写真投稿アプリ「インスタグラム」の店舗アカウントを開設してからは、20~30代の若い客がさらに増えました。釧路町の女性(37)は
「商品情報をチェックしています。店の外観はレトロだけど、ここにしかない商品もありとてもおもしろいと思います」と話していました。
スーパーの商圏は一般的に半径2キロ程度とも言われますが、独自の店作りで菱光の商圏は駅北側の鉄北地区を越えて市内全域に広がり、時には根室、霧多布、札幌からも客を集めています。
近隣住民だけではなく、遠方の若者にまでアピールする菱光。ただ、あくまでスーパーだけに来店客に手を伸ばしてもらいたいのは主力の食品だということです。
名店の味を再現
地元の新鮮な魚介類や野菜を扱うほか、原価ギリギリという阿寒ポークを使ったカレー(183円)などリーズナブルな価格の総菜が人気です。北村社長の子どもがアレルギー体質だったことから、商品の健康や栄養には気を付けているということです。
駅北側の周辺には近隣住民に長年愛された飲食店が多くありましたが、店主の高齢化などで相次ぎ閉店。北村社長も総菜の研究のため、各店で修業してレシピを教わったこともあったそうです。
そのうちの1店は共栄大通で40年以上愛された総菜店「まるみ弁当店」。同店が4年前に閉店した後、菱光が人気商品「野菜メンチ」のレシピを再現しました。不定期に販売し、早い日は午前中で売り切れる人気商品の一つになっています。
近くの中華店のやきそばも再現したいといいます。「駅裏の名店を忘れられない人は多いようです」と北村社長。老舗スーパーは庶民に愛された味と思い出も受け継いでいきます。
鉄北地区とは
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