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なまらあちこち北海道|北海道にゴキブリいるの?

健康

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北海道にはゴキブリはいませんでした。気温のせいです。ですが、今は暖房で室温が高くなり、引っ越し荷物に紛れていたのが、そのまま生きて繁殖しているようなのです。

北海道にゴキブリ…既にいます でも、あまり目にしないのはなぜ?

 ※一部ゴキブリの写真がありますので、苦手な方はご注意ください。

 

まず訪ねたのは、北海道内の害虫駆除業者など23社でつくる一般社団法人北海道ペストコントロール協会(札幌)学術顧問の高橋健一さん(69)。「昨年3月末までの1年間に、当協会に寄せられたゴキブリに関する相談はゼロ件」と教えてくれました。

関西の大学に通っていたころまでは、しょっちゅう目にしていたゴキブリ。その相談がないなんて、やはり北海道にゴキブリはいないということか! 目をきらきらさせながら高橋さんに確認したのですが、残念ながらこう返ってきました。
「いいえ、北海道にもいます。ただ、住宅ではあまり見かけないので、相談はゼロか、多くても年に数件です」

 

では、どんな種類のゴキブリが北海道に生息しているのでしょうか。

高橋さんが自宅から標本を持ってきてくれました。手にしていたのは、ヤマトゴキブリ、クロゴキブリ、チャバネゴキブリの3種。見るだけで、私は鳥肌が立ってしまいます。

日本国内には約60種のゴキブリがいるそうですが、この3種が主に北海道内で継続的に繁殖し、既に定着しているとみられるといいます。

ヤマトゴキブリは体長2~3センチ。寒さに強いのが特徴で、北海道の冬でも屋外で生息できるそうです。樹液を餌にして、主に林などに生息。室内に侵入することもあります。

10年ほど前には、既に札幌市中央区の円山公園や北海道神宮の木などにいるのが確認されています。

ヤマトゴキブリの生息が確認されている札幌市中央区の円山公園

ヤマトゴキブリの生息が確認されている札幌市中央区の円山公園

 

2013年に学会誌で発表された論文「札幌市におけるヤマトゴキブリの初記録」の著者の一人、酪農学園大名誉教授の佐々木均さん(71)によると、主筆者で害虫駆除などを手がける業者の故青山修三さんが2012年6月、シロアリ駆除のため訪れた円山公園そばの住宅や、公園内でヤマトゴキブリを発見したといいます。

ただ、ヤマトゴキブリがどのような経緯で、いつごろから公園に生息するようになったかは「はっきりとは分からない」(佐々木さん)そうです。

一方、体長3~4センチで、その名の通り黒光りし、ゴキブリと聞いて多くの人が思い浮かべるクロゴキブリと、体長1~1・5センチと比較的小さいチャバネゴキブリは、主に屋内で生息します。

この2種類は、屋内の生暖かく湿った、暗くて狭い場所を好みます。そうした「潜み場所」から夜間にこっそりと出てきて、人間が食べるものを餌にし、ビールにも好んで群がるそうです。

北海道ペストコントロール協会の高橋さんによると、ヤマトゴキブリ以外の多くの種類は、安定して20度以上ある温かい環境を好むそうで、冬の室温が低くなる北海道の一戸建てで生息するのは難しく、それが記者の私のように、ゴキブリを目にする機会が北海道内では少ない理由だといいます。

 

道内ではヤマトゴキブリ、クロゴキブリ、チャバネゴキブリの3種を合わせ、計12種類が過去に確認されています。

今から70年ほど前の昭和20年代後半に札幌市内の商業施設でチャバネゴキブリが目撃され、昭和50年代には、帯広や函館、稚内、根室など、太平洋側や日本海側、海沿い、内陸を問わず広い範囲でゴキブリが確認されていました。

ただ、「道内に侵入してきても生息に適した環境がなければ定着できない」(高橋さん)ため、残り9種は繁殖が確認されていないといいます。

 

寒さがゴキブリの繁殖を阻んできたのは間違いなさそうです。近年は道内でも商業施設が増え、一戸建て住宅の断熱性も向上。年中温かい場所が増えているため、「ゴキブリにとって住みやすい場所ができれば、定着したり短期間で増えたりする可能性はある」と指摘します。

ただ、冬の屋外の気温は大半の種類に適していないため、建物の中だけで繁殖するケースが多いそうです。

そもそも、どうやって北海道に入ってきたのかも調べてみました。

北大電子科学研究所助教の西野浩史さんは、ゴキブリのフェロモンの仕組みなどを研究している方です。日々、ゴキブリに向き合う西野さんは「すばしっこく動くゴキブリですが、長距離を移動する能力はほとんどありません」と言います。

西野さんによると、船で輸送される宅配便や建材、樹木などとともに本州から運ばれるケースが考えられるそうです。ヒトやモノの行き来が、ゴキブリを運んできているとも言えます。

 

なぜ北海道にゴキブリはいないという話が広まったのでしょうか。その理由に、西野さんは一般住宅で見る機会が少ないこと、道民がゴキブリを知らないことを挙げています。「見る機会が少ないので、嫌悪感もそこまで強くないのかもしれません」。

ただ、ゴキブリを室内で見つけた場合は建物内で繁殖し、病原体を持っている可能性もあるので「駆除も検討してほしい」と呼びかけていました。

今年も北海道に駆け足で冬が近づいています。でも、この寒さこそが、ゴキブリを目にする機会を減らしてくれていると思うと、ちょっと冬を見る目が変わります。

室内に突然現れるゴキブリの姿に叫び声を上げる―。そんな恐ろしい事態が、このままないといいなと願っています。

(参考:北海道新聞みなぶん)

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