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相手がカラスだけにクロウする!
先日、「NPO法人 札幌カラス研究会」の代表理事である中村眞樹子さんの講演を聞く機会がありました。
大変興味深く拝聴しましたが、その中ではカラスへの多くの誤解があることを知りました。
そこで、ここでは私が印象に残った「カラスの都市伝説」を紹介します。
その1 カラスは黄色を嫌う
大学とメーカーの協力で、カラスを寄せ付けないゴミ袋の開発がされました。
実はカラスは紫外線を「見る」ことができるので、その紫外線をカットするごみ袋を開発しました。その色がたまたま黄色に近い色だったので、それが誤った知識として広まったようです。
町内会によっては、わざわざゴミ収集の箱を黄色に塗り替えたという話も出されていましたが、これは全くの無駄遣いだった訳です。
ただ、箱に隙間がなく、カラスが中身を引っ張り出したりできなければ「餌にありつけない」ということで寄り付かなくなる事実はあります。
カラスは匂いはあまり感じず、人間と同じく目で物を確かめます。だから紫外線領域も含めて見えなくすると寄っては来ない訳です。
また、「鳥目」だから暗くなるとカラスも見えなくなる、というのも間違いで、明かりがあれば見ることができます。ススキノのネオン街はカラスの夜遊びの場所としてもあり得ますね。
ただ、誤解されないように述べておきますが、ススキノのカラスはネズミや酔客が吐いた汚物を掃除してくれているのです。そういう意味では「益鳥」とも言えます。
ゴミを散らかすのは人間の管理が悪いからです。
その2 カラスは害鳥である
害鳥とは「有害鳥獣」のことで、人間にとって有害であるということからの命名です。
カラスが人間を襲った(と言っても殺害目的ということではありません)という話を聞きます。突然頭を突かれた、蹴られた、帽子を取られたなど。
これはカラスが繁殖期に子どもを守るための自衛策なのです。巣に子どもがいて、その巣に近づいたり、物を投げたりすると、それを防ぐために「攻撃」を仕掛けるのです。
人間が何もしなければ、カラスだって何もしません。カラスにとって、以前に何か
「恐怖」になるようなことがあったら、それを覚えていて攻撃してくることはあります。
そんな時の防止方法は傘をさしたり、写真のように両手をあげて通り過ぎることです。両手をあげると頭に接触できないからです。
(両手を上げると大丈夫)でも、できれば巣に子どもがいる間は、巣の下に立ち止まったりはしない方が良いですね。
その3 カラスの死骸をぶら下げておけば、近づかない。
カラスにとっては何の意味もありません。人間が感じるように、仲間の死体があれば気味悪がったり、「あそこに近づくと我々もあんな姿にされるぞ」なんてことは考えないですし、ただの「物」としか見えません。
カラスは共喰いもあるそうですから、道路に横たわっていれば「餌」になることだってある訳です。
その4 カラスは餌場の近くに住む
カラスは夜はきちんと自分たちの塒(ねぐら)に帰ります。ゴミ箱が近いからということはありません。ゴミ箱のゴミは引っ張り出すことができれば、カラスにとってはおやつなのです。おやつが無ければ、あるいは手に入らなければ近づくこともありません。別の場所を探すだけです。
林や山林沿いの斜面を塒にします。塒に帰る途中「就寝前集合(しゅうしんぜんしゅうごう)」の習性があって、集団で空を舞います。
またハシブトガラスの声が大きいので、すごい集団を構成していると思われがちですが、数はそう多くはありません。それを気味が悪いと感じる人もいるようですが、ただの鳴き声で、一時的なものです。
爆竹を鳴らして追い払ったり、鷹匠にお願いしても、いなくなるのは、一時的なもので、すぐに元に戻ります。というより、せっかく林の塒があるのに、そこを追い払って、市内に塒を作らせる結果になる方がよほど大変です。
各自治体でカラス対策をしている人は「相手がカラスだけにクロウする」と言ったとか。
白いカラスもいる
最後に一つ。カラスと言えば黒ですが、白いカラスもいるんですよ。アルビノでしょうね。
(参考: NPO法人札幌カラス研究会HP、いろはに情報館HP)
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