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なまらあちこち北海道|ロボットで山岳救助、賞金2.000万円

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山での遭難は毎年繰り返されます。しかし、その救助は容易ではありません。下手すると救助隊も二次災害で命を失うこともあり得ます。
そこでロボットを駆使した遭難者の救助を実施したいという想いがこのコンテストの開催につながりました。

ロボットで山岳救助 技術向上へ上士幌でコンテスト 東大チームがほぼ成功 関係者「来年に期待」

森の中でマネキンを持ち上げる寸前だった東大チームのロボット(実行委提供)
森の中でマネキンを持ち上げようとする東大チームのロボット

上士幌町

 災害分野でロボット技術の開発を促そうと、上士幌町で毎年1回、ロボットによる山岳遭難救助コンテストが開かれています。
 実際の山林で大規模展開する全国唯一の取り組みです。2016年の初回以来、最高賞金2千万円の「救助」の成功例はまだありませんが、今年は東大チームがあと一歩に迫り、関係者は来年にも快挙が達成されそうだと期待するまでになりました。
 コンテスト名は「ジャパン・イノベーション・チャレンジ」(実行委主催)。参加チームは、機器の操作場所から捜索エリア内のドローンやロボットを遠隔操作し、課題に挑むという内容です。
 現場は上士幌町のナイタイ高原牧場近くにある広さ9ヘクタールの険しい森で、ドローンが飛び回れる森林を探していた実行委に、町が町有林の提供を申し出て始まりました。
 今年は道内外の民間企業や研究機関などから6チーム約50人が参加し、10月7~9日に実施。5キロ以上離れた会場から遠隔操作し、1日ずつ、空からドローンで救助者に見立てたマネキンの「発見」と救助キットを届ける「駆付」、ロボットが陸上から搬出する「救助」で競い合いました。
 海津裕准教授(農業情報工学)が率いる東大チームは、カメラ2台を搭載した見守りロボットと、フォークリフト付き回収車の2台で「救助」に挑戦。急斜面のササやぶに覆われたマネキンまで接近できましたが、足場が悪く、50キロの重さを持ち上げられずに終わりました。
 一方、ロボットから鮮やかな撮影映像が届くことで周囲を立体的に確認しながら操作でき、ササやぶで人が通った痕跡を見分けるなどして現場に着けるという収穫もありました。
 米宇宙企業スペースXの衛星ネットサービス「スターリンク」を活用することで、ロボットの操作や動画の送受信など時間差がこれまでの約3秒から1秒未満まで縮まり、より正確に操作できたということです。
 海津准教授は「技術的にはほぼ完成した。来年には課題を達成させたい」と語っています。実行委の中心メンバーで、ロボットの利活用に取り組むTKF(東京)の丸山勇雄北海道支社長は「非常に惜しい結果。来年に期待したい」と課題クリアを待ち望んでいました。
(参考:北海道新聞ニュースエディター)

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