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気温が影響するワイン
ブドウ栽培に適しているかどうかは、一年の平均気温だけだはなくて、4月から10月までの積算温度がその目安になります。
例えば、ブドウと言えば山梨県ですが、積算温度が1390度を超える値となり、従来から育てている種類のブドウの栽培に見直しが必要とされてきています。
一方、北海道内の積算温度は1998年ごろから、「ピノ・ノワール」という種の栽培に適しているとされる1200~1390度に入り始めているそうで、2010年以降は大体この温度域に入っているということです。
北海道でワインと言えば、余市・富良野・池田町などが、今では有名な産地となっていますね。
(人気の十勝ワイン清美) (シャトーふらの)
ところが函館市の積算温度を知ったフランス人のバティスト・パジェスさんがこの「ピノ・ノワール」に適した場所だということで、この地にブドウ畑を作り始めたのです。
「ピノ・ノワール」について
フランス・ブルゴーニュ原産で、そこのワイナリー「ドメーヌ・ド・モンティーユ」社の赤ワインの代名詞。世界最高級ワイン、ロマネ・コンティの原料としても知られ、繊細な味と香りで世界中のワイン通を魅了してきた。だが、ブルゴーニュは近年、地球温暖化による気温上昇で収穫時期が早まるなどワイン造りの変革を迫られている。(北海道新聞)
(モンティーユのブドウ畑でピノ・ノワールの幼木を見て回る
バティスト・パジェスさん。後ろは函館山)
現在5ヘクタールのブドウ畑を見回るバティストさんは
「函館は雪が少ないから、冬に木を傷めず、病気に強い木を育てることができます」
語ってくれました。
本州のように蒸し暑いとワインに必要なほどよい酸味が得られないということで、冷涼な函館に農業法人を設立しています。
ブドウ畑の水はけを良くするため、地下排水溝を張り巡らせるなど工夫をこらしています。現在はブドウを育てている段階ですが、2023年にも醸造を始める予定です。
北海道内のワイナリーは2019年には14軒からだったのが、今年3月末には47軒とかなり増えています。それだけブドウの品質も向上したということが言えるでしょう。
苦労の末に
赤ワイン用の品種「ピノ・ノワール」は、当初病気にかかる実が多く、品質も伴わなかったのだそうです。病気にも強い株を選抜して、株から苗木を育て、少しずつ増やすという地道な作業を繰り返して、安定した品種になるまで20年以上かかったそうです。
ある日本ワイナリーの責任者は、
「自分のワインを世に出しながら、輸出するのにふさわしい余市や北海道のワインと、海外をつなぐ仕事をしたい。」
と将来を語っていました。
早く味わいたいものですね。
(参考:北海道新聞、ウィキペディア、函館市HP)
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