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なまらあちこち北海道|森の貴婦人・広尾町

北海道

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オオバナノエンレイソウ

私が北海道に来て初めて目にした花で印象に残っているのは、以前に紹介したエゾエンゴサクともう一つ、今回取り上げるオオバナノエンレイソウがあります。

白い貴婦人

白く三角の形をしたその姿は、決して派手ではありませんが、どこかしら人の心をとらえて離さないところがあります。北海道大学をはじめ、道内の小・中・高等学校の校章によく使われているのは、そんな質素で奥ゆかしいけれども北の大地に生きる逞しさを、生徒の成長する願いに込めているのかもしれません。

オオバナノエンレイソウは春を代表する「スプリング・エフェメラル(春の妖精)」とも呼ばれます。

 

今回紹介するオオバナノエンレイソウの群落は十勝管内の広尾町にある「」シーサイドパーク広尾」の花畑です。花畑とはいうものの、花を咲かせているものの周囲に、花のない葉だけの小さなものがたくさんあります。


(ムラサキエンレイソウ)

これらはまだ成長途中なので、花を咲かせることができません。発芽してから花を咲かせるまでには何と10年以上かかるのです。

風に揺れる姿は白いドレスをまとった「森の貴婦人」にとも呼ばれ、愛されている花です。この後次々と花を咲かせていきます。

国際自然保護連合(IUCN)は昨年、絶滅危惧種として評価した。町教委は「芽を踏んで荒らさないよう注意してほしい」と呼びかける。(北海道新聞)

「シーサイドパーク広尾」の様子です。

(シーサイドパーク広尾の様子、北海道新聞電子版より)

長年の研究

でも、花が咲くまで10年以上かかることをどうやって調べるのでしょうね。これについて北海道大学で長年この花を研究している大原雅先生は次のように教えてくれています。

茎のそばにタグのついた針金を立てておき、翌年それを目印に確認に行きます。広尾町で調査を始めてから、少なくとも28年間咲き続けているものがありますよ。春に咲いているのを確認できると「おお、生きていたか!」と嬉しくなりますね。


(10年間の成長の記録)

28年間も咲き続けるなんてすごいですね。また調査は地道な活動が大切なんですね。花を知っていても、そんなに長い期間が必要だとは今回初めて知り、一層の愛着がわいてきました。

(参考:北海道大学理学部生物学科HP、NHK趣味の園芸、北海道新聞)

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