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クルーズ船の北海道寄港、2年4カ月ぶり再開
観光振興に期待
函館港に入港したクルーズ船「にっぽん丸」
新型コロナウイルスの影響で長く見送られていた豪華なクルーズ船の北海道内への寄港が3月28日の函館港を皮切りに再開しました。
2年4カ月ぶりのことです。クルーズ船の寄港は近年、増加の傾向にありましたが、新型コロナが水を差しました。
函館港は8月までにあと6回の寄港があります。
クルーズ船の乗客は多く、寄港地は一度に多数の観光客がやってくるだけに観光振興効果に期待を寄せています。
JR函館駅に近い函館港若松ふ頭に着岸したのはクルーズ船・にっぽん丸(商船三井客船・2万2472トン)です。3月26日に横浜港を出港。28日に函館、29日に室蘭、30日に大船渡港に立ち寄り、31日に横浜港に帰港しました。函館市を訪れた乗客は近くの函館朝市のほか、五稜郭公園などで観光を楽しみました。
飛鳥Ⅱ
函館港に続いて入港した室蘭港は2年7カ月ぶりのにぎわいになりました。コロナ禍前の19年は6隻のクルーズ船が入港しましたが、その後は途絶えていたのです。
乗客たちはバスに乗り換え、白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」や昭和新山などで観光を楽しんだということです。
室蘭港は7月までに3回の入港がある予定です。市の担当者は「地域経済の活性化につながってほしい」と話していました。
道内は03年に客船の誘致を目指す「北海道クルーズ振興協議会」が設立されました。取り組みが実を結び、14年は米国の大型客船が道内ツアーを組むなどして道内に計157回の寄港があったほどです。
外国人観光客の増加を背景に、寄港はその後も増えていきましたが、世界的な新型コロナの流行のために中断し、20、21年は寄港がゼロになってしまいました。
函館港は新型コロナによる中断前の19年に国内外のクルーズ船47隻が寄港しました。国内で新型コロナの感染の拡大が落ち着いたことなどから22年はにっぽん丸や「飛鳥Ⅱ」(郵船クルーズ・5万444トン)、「ぱしふぃっくびいなす」(日本クルーズ客船・2万6594トン)が寄港を計画しています。
ただし、これらのクルーズ船はいずれも日本船です。これまで寄港するクルーズ船の7~8割を占めていた外国船の再開は、今のところ見通せない状況です。
コロナ禍前のにぎわいに及ばずとも、函館市港湾空港振興課の細越清朗課長は「受け入れが再開できてうれしいです」と話しています。
「入港の条件の新型コロナの感染症対策を守ってもらい、観光の活性化を期待したい」
と願っているようです。
道内は各地に港が点在しています。道内有数の観光地・小樽市は7月9日、小樽港でぱしふぃっくびいなすの入港を控えています。19年は29隻が入港したものの、22年は7隻の日本船の入港しか予定がありません。
市の担当者は「新型コロナなどの状況もあるが、観光面での活性化を期待したいです」と語っていました。
2022年に函館港に入港を予定するクルーズ船 入港・出港日時…船名
6月15日(正午~午後10時)…にっぽん丸
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