この記事を読むのに必要な時間は約 2 分23 秒です。
シンクロスキーで、北大の2チームが全国大会に出場します。
ゲレンデの芸術「シンクロスキー」 北大2チーム全国へ 乱れぬ隊列優雅に滑降
一糸乱れぬ隊列を組んでスキー場の斜面を滑走する「シンクロスキー」をご存じだろうか。1チーム4~10人で隊列を組み三角形やV字など次々と変形させて美しさを競う団体競技で、道内では北大の2チームが全国の学生大会の強豪という。3月の全国大会に向け、練習を重ねる両チームの今を追った。
「せーの!」。空知管内長沼町の北長沼スキー場で2月中旬、北大エレガントスキー部と同大基礎スキー部の練習が行われ、斜面下方に向かって並んだ6人のメンバーが一斉にスタートした。
互いの距離が近いままターンする北大エレガントスキー部の男子チーム
メンバーが同じタイミングでターンすることが重要で、スタート直前は、全員がストックをリズミカルに上下させ、タイミングを合わせる。滑走中はスマートフォンのメトロノーム機能があるアプリも使う。
隊列が滑り出した。三角形から縦1本へと変わり、サイコロの5の目のような形、V字など次々と変化する。隊列を美しく見せるにはメンバー同士が近づかなければならない。接触によるけがのリスクがある一方、速度を緩めて隊列を乱れさせるわけにはいかない。
体の傾きや動作をそろえて滑る北大基礎スキー部の男子チーム
北大基礎スキー部4年の稲木亮太さん(23)は「仲間はきっと失敗しないと信じる絆が必要。シンクロスキーの魅力です」と話す。
全日本スキー連盟(東京)によると、シンクロスキーの公式大会はなく、競技人口やチーム数は分かっていない。学生たちの目標は、毎年3月に長野県で開かれる「全国岩岳学生スキー大会」で、例年男女計約180チームが出場する。
ビデオで隊列のそろい具合やずれをチェックするメンバー
大会では、メンバーがターンで同調するなど、スタートからゴールまで隊列を美しく維持し、動作をぴたりとそろえる必要がある。事前準備は欠かせない。
スタート前にターンをイメージして腕や体を動かすメンバー。気持ちを一つにする大切な準備だ
北大エレガントスキー部の部員たちは1月下旬、同大会で昨年上位校の演技をビデオで研究した。3年で部長の相沢遙太さん(22)は「全員で滑り降りる様子は1つの芸術作品のようで迫力がある。チームで1つの滑りを完成させる達成感が魅力です」と話す。
昨年の上位チームのビデオを見ながら隊列の組み合わせを研究する男子チーム
今年の同大会基礎スキーの部「団体」は3月8日、長野県で開かれる。新型コロナウイルス禍で中止となった2020、21年を除き、過去10年、基礎スキーの部「団体」で上位3位に入ったのは、北大基礎スキー部が男子3回、女子3回なのに対し、同大エレガントスキー部は男子8回、女子5回。「良きライバル」の両チームは今年、どんな活躍を見せてくれるだろうか。
(参考:北海道新聞ニュースレター)
コメント